黒崎さん:29歳。職場の同期 ~深夜のオフィスにて~

まだ、かかりそう?


オッケーオッケー、あとはこっちでやればいいかもね。


あと30分ってとこかな?


これが終わったら、だいぶ楽になるよね。


よかったでしょ?


何がって、わたしですよ。


そ、ん、ざ、い。


わたしの存在よ。


なかなか優秀なサブでしょ?


だてにこの部署、長くないからね。異動したばかりじゃ大変だよね。


これからも任せてよ。


いやいや、あんまり仕事ふっちゃやだよ。


それは期待されてるあなたの役目でしょ?


なんか言ってたよ。部長が来年にはもっと大きいやつ任せるって。


頑張りどころだねえ。


なんか楽しそうって?


そりゃね、初めてじゃない、一緒の部署になったの。


まあ、いいや。仕事の話はおしまい。


今日、どうする? 明日、休みじゃん。


正直お腹すいた。もう9時だし。


えっ? 真っ直ぐ帰るの?


あっそう。あんだけ手伝ったのに? わたしのおかげで早く終われそうなのに?


うそうそ、いじが悪すぎた?


でも、異動してから一回もご飯行ってないよね? ミニ歓迎会ってやつ? やる?


あっそう。


ふーん。


彼女いるんだ。


って、なんかわたしが勝手に告白して自爆してるみたいじゃん。


そんなふうに勝手に誤解されちゃうなら、別にいいかな。


真っ直ぐ帰れば。


それでいいんじゃない。


あれ? 引っかかった?


じゃあ、決まりね。


ごちになりますでいいかな?


うそうそ、彼女におごってあげてよ。


さあ、ぱっぱっと片付けちゃいますか。


雑務ぐらいはやりまっせ。


調子のりすぎちゃった?


でも、久しぶりだよね。一緒にご飯行くの。

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