第7話作戦会議

抜き打ち試験のため、教室は作戦会議の場となっていた。その隅で一際大きな熱を発する男たちがしのぎを削っていた。


クルヴィ「だーかーらー。俺は得意な接近戦で前線を張って全員を相手するから、お前らはその援護と隙を突いた攻撃をする。簡単な作戦だろ?」


リューズ「ふざけんな!お前しか目立ってねぇじゃねぇか!お前はいきなり服を脱ぎ捨て敵の気でも引いてろ!!」


ガルイク「どこに憤りを感じているんだ。アホのお前ら2人がメインで俺がサポート。これじゃダメなのか?」


リューズ・クルヴィ「「ダメだ!」」


リューズ「ガル、お前はなんもわかっちゃいない。いいか、よく聞け。目立つ奴が二人いると人気が分かれてしまう。そうなるとな、そいつらを支えているもう一人にも人気が出て三分割されてしまう。つまるところ俺はできるだけ人気を独占したいんだよ!分かれよ!」


クルヴィ「こんなモテることしか考えていない冴えないやつにメインを任せると班員の俺らまで同じよう目で見られるんだぞ!モテない損な役はごめんだね!」


ガルイク「一番損をしているのはお前らと組まされた俺だ。目立ったところでお前らは絶対にモテないから早く作戦を決めるぞ。そろそろ時間だ。」


リューズ「はぁ。わかったよガル。クルヴィがメインで俺たちはサポート。これ以上言い争うところを周りのやつに見られたくないんでね。」


クルヴィ「見られたとしても、そもそも問題児として名が知れているから今更なところはあるけどな。」


リューズ「え?その悪名ってもう広まってんの?まだ入学して2日だぞ...」


ガルイク「作戦も決まったんだ。さっさと試験会場に行くぞ。他の班も既に教室を出ている。」


試験会場は、二等が持つ施設のなかでも随一の大きさを誇る第一訓練場である。この訓練場はその大きさ故、他校との交流戦にも使われる程の施設となっている。


リューズ・クルヴィ・ガルイク「「「でっけぇ...」」」


アホ三人組が見たことのない大きさの建造物に口をそろえていた。


担当教師「えー今から試験を行う。俺がテキトーに班を2つ選ぶから、他の班は2階で観戦だ。教室でも説明したが、忘れてるアホが毎年いるから一応説明しとくぞ。10分間全力で競ってもらい、最後に俺が優勢だと判断した班が勝ちだ。言うまでもない常識だが、相手に致命傷や重症を与えることは禁止だ。そもそも気絶させることが勝利じゃないからな。あくまで競い合いだ。相手の戦意を奪うほどの力を見せて棄権をさせるか、あまりにも一方的な場合は、時間に関わらず終わらせる。それじゃあ早速...」


だるそうな目で生徒を眺めだす。誰も彼もが緊張をしている中、声を上げる者が2人いた。


リューズ・クルヴィ「「やれます!!」」


ガルイク「絶対やると思っていたぞ。バカ二人。」


最初が一番目立つに決まってんだろ!


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