かけるノーム

へーたん

プロローグ ~甘く、……~

『えへへー!あたし、ハナオっていうの!あなたは?』

『……われはキリノだ』

『キリノちゃんかー!……ねえキリノちゃん!あたしと付き合わない?』

『つきあう……?よくわからんが、みりょくてきなことばだな』

『じゃー決定だね!カップルだー!』

 これが、好奇心旺盛な少女と、地底民の幼女の、甘く、切ない、ラブストーリーの始まりである。



「──ってことが二年前かー!早いねー!」

 ロングツインテールの少女が、椅子に座って語っていた。

「せつなくはないだろう。あと、じぶんで『こうきしんおうせい』とかいうのか。じじつだが」

 その膝の上で、ショートボブの幼女が、もの申していた。


 ハナオ、十五歳。好奇心旺盛な少女。

 キリノ、八歳。地底民の幼女。


 これは、好奇心旺盛な十五歳の少女と、地底民の八歳の幼女の、甘く、甘い、ラブストーリーである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る