あぁ!デジャブ!
坊主方央
第1話〜あぁ!デジャブ!
真新しくもない雪が町中を覆っていた。足元はまだ寒く冬の本番という感じ。この寒さは別にもう慣れたからいい。
僕は必ずこの時期はおかしな夢見る
小さい時はそれはすごく楽しかった、今はこの時期は大嫌い。この1月の始めから2月終わりにかけて僕は必ず何回もおかしな夢をみてしまう、本当にみてしまうんだ。
夢って大体はおかしいって思ってるよね。でもこの時期に見た夢は必ず鮮明に覚えているんだ。頭の中にこびり付いて取れないその夢の思い出はずっと僕を苦しませてきた。
誰かに相談しても誰も取り合ってくれなかった。必ず大人になれば忘れるの一点張りで、参考にすらならなかった。
今日は平日の火曜日の10時半、僕は幼なじみと話していた。
「だからこの時期はおかしな夢を見るんだって毎年言っているだろう。」
「別に体に不調がなけりゃいいじゃないか。神経質すぎんだよ、お前。」
幼なじみの友達に毎年この事を言っている。しかし彼はどうでも良さそうな顔で、僕はそれでイラついた。
「君は分かってないなぁ、あの夢がどんだけ恐ろしいか全く分かってない。」
「はいはい、怖い怖い。15でもうすぐ卒業だってのに悪夢に悩まされてるんでちゅね。怖い怖いでちゅね、ギャハハ。」
幼なじみはからかっている。僕だってこんな事で悩みたくないけど絶対に見てしまう。そういう風に決められているのかもしれない。
「やっぱりお前は全然分かってないな、たっく、どいつもこいつも。」
大声を出すと、クラスメートが一斉に僕の方を見た。僕はそれが急に恥ずかしくなってスグにその教室から離れた。幸い、先生には見られなかったから良かった。
「あ、おかえり。」
「ただいま。」
自分の家に帰ってきた、母さんが僕を迎えにきてくれた。後ろから父さんも出てきた。しかし僕はそれを振り切って、自分の部屋のベットにダイブした。
「寝たくないのに、眠たいな…。」
そのまま僕は寝てしまった…何時間経ったのだろうか、光で目が覚めてしまった。部屋には電気はつけていないはずなのに。
「ここ、どこだろう。」
とても白い、この部屋の印象だ。家具は一切置いていない無機質な部屋だった。そして僕の格好は包帯でぐるぐる巻きになっていた。
「ど、どういうことだ?」
混乱しているとこの部屋の扉から、若い、顔が骸骨の医者のような化け物が入ってきた。僕は咄嗟に隠れようとしたが、なんせベルトが体に張り巡らされているんだから動けもしない。
「だーいじょうぶ、君が*****だね。年齢は4*…で、両親は**で**した…」
化け物はそういいどんどんと近づいてくる。そして僕は気づいた、これは夢なのだと。こんなおかしな事は夢しかないとおもったから僕はその化け物を押しのけて走った。
「はぁ…はぁ…」
どこまで逃げただろう。この廃病院にはゾンビナースや血まみれのドラゴン等、数え切れないぐらいの化け物がたくさんいた。
「だから部屋に閉じこもっていたかったんだ、怖いから。」
僕はソイツらを殴った。もしかして、味方かもと思ってしまったが襲ってきている。なら味方…じゃない敵だ。いや、違うのかも。
「あぁ、うるさいなぁもう。」
1匹、いや12匹か、ん?7匹かも。とりあえず殴り殺した後に首に鋭い痛みを感じて起きた。起きるとそこは自分の部屋だった。家具がちゃんとあって幼なじみと母さんと父さんがいる。
「うなされていたが大丈夫か?」
「お前なぁ、もう寝なくてもいいんじゃないか?そこまでうなされるんなら。」
「これからそうするよ。」
あぁ、これで一安心。
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