第3話 『猛獣跋扈』

GM:始めるぜ。真銀物語第3話 『猛獣跋扈』


ミミィ:にゃー!(猛獣アピール)


GM:確かに(笑)ネコと和解せよ


GM:さて、君たちは魔将総長サーガからの追撃を振り切り、クレイモルに到着しました。


GM:幸いまだこの国は本格的な攻撃を受けていないようで、まだ街は賑やかです。市場とか盛んですよ


ヒルダ:成長の時に買った装備品とかもここで揃えたのね


GM:そうだね


ムルダファ:「この国には冒険者ギルドもある。今後のことを考えるなら登録しておくと良いかもな」


3話にしてやっと冒険者ギルドの名前が出てきました。元々どこかの街に到着してからギルドに登録という流れをやりたかったため、この時点では冒険者ランクを取るのを控えるようにPL達に言ってあります。


ミミィ:「平和だなぁ」


リーゼロッテ:「その平和も、いつ脅かされるかわかりません。一刻も早く邪王を討伐しなければ……」


ユスティーツェ:「……そうだな」


リファー:「しかし、焦りも禁物。まずはこつこつと目的を果たしましょう」


ヒルダ:「そうね……冒険者登録しておけば他の国に渡っても最低限の身分保障がされるものね?」


ミミィ:「冒険者……自由なようで自由でない、難儀な立場にゃ」


GM:では冒険者ギルドへ向かいますか?


ミミィ:とりあえずは


ユスティーツェ:向かおう


GM:ではこの国の一番大きな冒険者ギルド、探索する獣亭に到着します


ミミィ:獣がいっぱいな回だにゃ


狙ったわけではありませんが、確かに。


ギルド長:「あ~らいらっしゃい、アタシがここのギルド長のマリアよん♡登録かしら、それともご依頼?」ムルダファさんに負けない筋骨隆々の大男です


ミミィ:オネェマッチョだにゃ!!


ヒルダ:「あらあら?」


ミミィ:「な~お」


ユスティーツェ:「────――」(流石に面食らっている)


マリア:「ってあ~らムルダファじゃない!元気してた?もう、あなたったらアタシを放っていつもどこかに行っちゃうんだから」


ムルダファ:「……」


ミミィ:「知り合いが挨拶してるんだからちゃんと返事するにゃ」


ごもっともです


ムルダファ:「あ、ああ……相変わらずだなマイケル(本名)」


ヒルダ:「初めまして?ヒルダ・トムソンよ?」


マリア:「ムルダファが来たってことは仕事を探しに来たのかしら?」


リファー:「……事情説明、頼みます」ムルダファさんに肩ポン


GM:頼むんならまあやってくれるけども


リファー:知り合いが説明したほうが信憑性あるでしょうし


ヒルダ:まぁ長くなりそうだからね


ムルダファ:「(かくかくしかじか)」


マリア:「そう。わかったわ、大変だったわねユスティーツェちゃん、リーゼロッテちゃん!」涙を流しながら二人に抱きつこうとしますが


ヒルダ:リーゼロッテをスッと引き寄せて抱きしめます


ユスティーツェ:「……」スッと避けます


マリア:「あらっ」スカッ


GM:マリアは空を抱きしめて、パァンッ!という空気の爆ぜる音がします


ヒルダ:「(あらあら?もしかして大分格上な方かしら?)」


ヒルダ:「そうなのよね?だからこの子達の冒険者登録をお願いしておきたいのよね?」


マリア:「分かったわ、任せておきなさいな」


GM:まあ、冒険者登録はつつがなく終わりますね


ミミィ:「いつもこんな感じにゃ?」


ムルダファ:「悪い奴じゃないんだ。ちょっと……いや大分個性的なだけで」


ユスティーツェ:「善良なのはわかるがな……」


私はこういう、今後出る保証の無いNPCのキャラを無駄に濃くするのが結構好きで、今後も濃いキャラがかなり出てきます。


ムルダファ:「ふぅ……さて、他に行くところが無いなら城に向かうか?」


ミミィ:「まぁ、話は早いに越したことはないと思うにゃ」


GM:では城へ~


GM:城門で兵士に止められかけるけどムルダファさんの顔が知られてたので問題無く入れます


GM:モブ兵士「また訓練の相手してくださいムルダファさん!」ムルダファ「おう、また今度な」みたいな会話がありつつ、応接室でちょっと待たされますね


ミミィ:「(書類めいたものを持って横に立ってる秘書的な何かの構え)」


GM:眼鏡かけてるやつだ


ミミィ:「ねこは賢いのにゃ」


ヒルダ:「さてさて?お二人はどういう話をするか決めて居るのかしら?」


リーゼロッテ:「アイロング王子が、私達に協力してくれると良いのですが……こちらには、交渉の材料になるものはありませんから」


ユスティーツェ:「────他に取れる手もあるまい、事情を詳らかに話すだけだ」


ヒルダ:「そうね?もし失敗した時の為に冒険者登録をしておいたのだから、リラックスして再会を喜んでもいいかもね?」


リーゼロッテ:「そう、ですね。アイロング王子と会うのも久しぶりですから」


リファー:「事情を話したら国から追い出される、なんて状況にはなってほしくはありませんがね」


ミミィ:「この国が狙われたら息つく暇もないけどにゃ~」


リーゼロッテ:「どこの国も、今は余裕が無いですものね……」


ユスティーツェ:「追い出されるなら……それはそれだ、俺のやることは変わらん」


リーゼロッテ:「お兄様……はい。どんなことがあっても必ずやミストルティアを取り戻しましょう」


ヒルダ:貧困よ……全部貧困が悪いのよ……


GM:さてさて、そんな感じで会話していると、応接間の扉が開きます


ミミィ:「そうこう言ってたら来たにゃ」


アイロング王子:「待たせたね、ユスティーツェ、リーゼロッテ。それにムルダファさんと、傭兵団の皆さんも」


リファー:(ぺこり)(完全に傭兵団の人としか認識されていない)(都合がいいのでそれでいこうの顔)


GM:いや多分大賢者のことは知ってるよ(笑)


ヒルダ:優雅にお辞儀します。具体的には踊り子5らしく!


アイロング王子:「暢気に挨拶してる場合でもないか。ミストルティアのことは聞いている。あの真銀王が敗れるとはね……」


ミミィ:「急な訪問なのに応えてもらえてありがたいことですにゃ」


アイロング王子:「竹馬の友と婚約者の訪問を断ったりはしないさ」


アイロング王子:「それで、用件はなんだい?保護を求めにきたなら、きちんとした待遇で迎えるよ」


ユスティーツェ:「すまないな、感謝する……お前には妹を頼みたい」


リーゼロッテ:「ッ、お兄様!?それはどういう……!?」


ミミィ:「(あー、言っちまったですにゃ)」


ヒルダ:「……」


リファー「(神妙な顔)」


アイロング王子:「……君はどうするんだい」


ユスティーツェ:「仇討ちに付き合わせたくはない、それに……俺がいなくなった後の問題がある」


リーゼロッテ:「そんな……私は大丈夫です!アイロング王子も、お兄様の言うことは気にしないでください」


アイロング王子:「死ぬつもりかい、ユスティーツェ」


ユスティーツェ:「総て殺すまで、死ぬ気はない。だが、全て終わった後に生きている保証もない。名を、家を、国を、生きていた歴史を残すものが必要だ。それは……俺ではない」


ヒルダ:「……」


アイロング王子:「ユスティーツェ、リーゼロッテもそうだが、君が戦う理由は無いだろう?君たちに一番必要なことは生き残ることだ。生き残って、王家を再興させることだろう?邪王は確かに脅威だが、ヤツの討伐は軍や冒険者に任せれば良いとは思わないのかい」


ユスティーツェ:「思わん」


アイロング王子:「なぜ」


ユスティーツェ:「俺の殺意は、俺の後悔は……俺だけのものだ」


アイロング王子:「……余計に君を行かせられない。君の気持ちがわかるとは口が裂けても言えないけれど、そんな、個人的な感情で命を捨てるべき人じゃないはずだ、君は」


ユスティーツェ:「――――――そうか、道理だな。だが、止まる気はないぞ」


ミミィ:「……ぼっちゃんの死に場所がどこかは兎も角。ミストルティアを取り戻す協力……或いは、この国の防衛への参加をお願いしたいですかにゃ?」


アイロング王子:「強情だね、昔からそこは変わらない……君を止められないというのはわかったよ。なら僕は、君たちのことを出来る限り支援しよう」


アイロング王子:「だけど、リーゼロッテを僕に任せるのは無しだ。そうしたら君は、踏みとどまるべきところを見失ってしまう」


アイロング王子:「リーゼロッテを側に置き、そして絶対に死なせるな、そして君も死ぬな。これがこちら側から出す、協力の条件だ」


ヒルダ:王子……!!


ユスティーツェ:「…………わかった。すまない、恩に着る」


ユスティーツェ:どうにかなった!!(原因)


GM:ふぅ~……落ち着くところに落ち着いた


ヒルダ:一旦仲裁して仕切り直しを願うかちょっと悩んだわよ


PLとPC(GMとNPC)は別物ですから、特にこういったPCの信条が反映される交渉ロールなどはGMもPLもヒヤヒヤするものです。ですが、今回は上手くいって何よりでした。


アイロング王子:「とりあえず、今日はこの城に泊まるといい。それくらいの時間の余裕はあるはずだ。これまで大変だったんだろう?ゆっくり休むといい」


GM:泊まろう


ユスティーツェ:はい


リファー:はい


GM:まあお城なんで良い部屋に泊まらせてもらえるよ。夜の間に話したいこととかやりたいこととかあればどうぞ


私はよくこうして、PL(PC)に対して自由時間を与えることがあります。本筋の進行をしているとどうしてもPCやNPC同士の会話が不足してしまうため、関係性を掘り下げるためのロールプレイパートを挟むのです。


ミミィ:猫になって散策するにゃ


GM:ほい。警備の人とかいるかもだけどまあ、それなら「なんだネコか」で済む


ヒルダ:じゃあ女性陣って事でリーゼロッテとナオと同部屋にさせてもらうわね


GM:うむ。リーゼロッテは静かに竪琴を弾いてるよ


ヒルダ:「……どうだったかしら?」ゆっくり近づきながら


リーゼロッテ:「どう、とは?」演奏の手が止まる


ヒルダ:「再開……結論……色々あるわね?だから、どれか一つだけとは言わないわ?……貴方の感じた事を、聞いておきたいの……こういうの、溜め込んじゃうと中々言えなくなっちゃうからね?」


リーゼロッテ:「その……お兄様があそこまで暗い感情を抱いているとは思っていませんでした。私だって邪王のことは憎いです。でも、憎しみだけで戦ってはいけないとも思っていますから……」ライフォスの聖印を握りしめ


ヒルダ:「……そうね。憎しみだけで戦えば、それはきっと、自らの総てを燃やし尽くしてしまう黒い焔と化してしまうかも知れない―――――でも、本当にそれだけかしらね?」


リーゼロッテ:「どういうことですか?」


ヒルダ:「アイロング王子に貴方を預けようとしたのは何故か?って事なのよね?大事なのは」


リーゼロッテ:「それは……私を気遣ってくれたのでしょうけど……」


ヒルダ:「決して重荷に感じたからではなく……むしろ、大切だからこそ遠ざけなければならない……と、そんな風に私は感じたのだけれどもね?……それは、憎しみ以外の戦う理由足りえるかもしれないわね?」


リーゼロッテ:「ヒルダさん……ありがとうございます。私、これからもお兄様を支えていきます」


ヒルダ:「ふふっ、どういたしまして?」


ヒルダ:とかそんな感じで第一回ガールズトークは終了で……コレ男性陣、そもそも会話あるのかしら?


ユスティーツェ:なさそう


リファー:ないですね


GM:ミミィはどっか行くところとかある?


ミミィ:ひっそりと要人の部屋とか警備員の仮眠室とかを把握しながら月当たりが良くて上手い具合に狭い場所を見つけてるにゃ


GM:了解。では近くをアイロング王子が通りかかっていきますね、追います?


ミミィ:な~?しらばっくれながら追ってみます


GM:はい。じゃあ小さな部屋に入っていきます。扉がちゃんと閉まらなかったので、ネコが通る隙間くらいはある。入ります?


ミミィ:ふむ。するりと入って高い台があれば飛び乗るにゃ


ヒルダ:ネコだなぁ


GM:じゃああった。えー、では中ですが。アイロング王子がキャンパスに向かっています。手には絵の具があって……よくよく見ると、部屋中肖像画だらけです、リーゼロッテの。


アイロング王子:「リーゼロッテ……ますます美人になっていた……全くユスティーツェは、いつも彼女の気持ちを考えずに好き勝手……」ぶつぶつ


ヒルダ:ん~~~~~……ギリギリ、セウト?


ユスティーツェ:まだギリセーフ……ギリ……


GM:あ、ちょっとセクシーな感じのもあります


ミミィ:(なーお、こりゃびっくりだにゃ、妹ちゃんは久しく会っていないと言っていたし……) ちなみに絵に描かれた妹ちゃんの年齢は?


GM:ちっちゃい頃のから成長した時のまで。今描いてるのはちょっと幼いけど、修正しようとしてますね。多分今日見たから


ヒルダ:ん~~~~~……まあ、アウトかな


14歳の少女の肖像画を書きまくっている男、いくらイケメンで王子だろうと危険人物であることに変わりありません。あのままだと完璧過ぎたため、少し隙を作ろうと考えたイベントでしたが、ちょっとやりすぎだったかも。


ミミィ:「(……図らずも青少年のうら若き秘密を暴いてしまったにゃ。触らぬ神に祟りなしにゃ)」


リファー:何か謀ってるのかと思ったら単純に気持ち悪いだけでした


ヒルダ:まぁ困ってたら助けるくらいはするけれど、リーゼロッテを預けるのはナシで……


ミミィ:「(……ちょっとだけ脅かしてやるかにゃ)」 去り際にガタゴトと物音立てて行きます


アイロング王子:「うわっ!?きっ、気のせいか……?今日は早めに切り上げるとするかな」


ヒルダ:信仰は……自由だから……


GM:いや別に変なことはしないよ?


ユスティーツェ:好きな子の絵を描いてるだけなのでセーフ!


ヒルダ:まぁそうなんだけどさ……ナマモノはまずいわよ……


GM:はい。まあミミィさんはこんな感じで。男性陣何かある?


リファー:昔話でも……します……?ユスティーツェ、聞きます……?


ユスティーツェ:無言タイムは長いだろうが


GM:ムルダファさんもいるよ


リファー:いたのですかあなた


GM:前回生き残ったからな


リファー:あれは20年前の話……森の中の話しても困ってしまうでしょう(セルフツッコミ)


リファー:これからの話でもしてるのではないでしょうか


GM:んじゃあ翌朝かな。何やら城内が騒がしく、それで目が覚めますね


ユスティーツェ:とりあえず様子を見るか


ミミィ:「んな~~~……なんにゃなんにゃ?」廊下の壺の裏から出てくる


ヒルダ:「何かあったようね?」


リーゼロッテ:「外に出ましょう。状況を確認しなければ」


ヒルダ:「えぇ」


リファー:「……もしや、もう追手が?」男性部屋組も合流しようね


ミミィ:「それとも、征クレイモル軍かもしれないかにゃ?」


GM:では、部屋の外に出ると、兵士達が慌ただしく走り回っていますね


ユスティーツェ:「……何事だ?」


モブ兵士:「おお!ユスティーツェ殿、慌ただしくて失敬。実は、この国に邪王軍が攻めてきたのです!」


ユスティーツェ:「――――――そうか、思ったより速い進軍だ」


ミミィ:「どっちかは掴みかねるけど、やっぱりゆっくりもしてられなかったにゃ」


モブ兵士:「あなた達を死なせはしません!私達が邪王軍と戦っている内にお逃げください。アイロング王子もそれを願うはず!ここで戦えば、私は真銀の国の王子を守った英雄になれます。死んだ母にあの世で自慢出来ますとも!」


ミミィ:「騎士道精神で結構なことにゃ(でも、多分……)」


モブ兵士:「では、私はこれで!」


ユスティーツェ:「――――――誉ある死を、俺なんぞに使うな……俺は往く」


ヒルダ:ユスティーツェ……


リーゼロッテ:「はい。微力でも、加勢しましょう!」


ミミィ:「ここで逃げてたら、今ここにいないかもにゃー」


GM:邪王軍とクレイモルの軍は、街の正門でにらみ合っていますね。邪王軍もここに来るまでに砦などがあったと思われますが、どうやら全て正面から叩きつぶしてきたようです


猛獣魔将グロティガ:「この街にミストルティアの王子と王女が潜伏しているのはわかっている。早くこのグロティガの前に出せい!」


リファー:「……さて、どうします?」我々が狙いなら出たほうが良いのか出ないほうが良いのか


ユスティーツェ:「俺に潜んだ覚えなどない」とりあえず勝手に出て行こうとするよ


アイロング王子:「仮にそうだとしても、お前の前にみすみす彼らを立たせはしない……!?ユスティーツェ!何故!」


ミミィ:「諦めるにゃ……」


猛獣魔将グロティガ:「貴様が真銀王の子か」


ユスティーツェ:「応とも、殺しに来た」


猛獣魔将グロティガ:「ふむ、お前の目、黒騎魔将に似ているな、復讐と破壊に濁った殺戮者の目だ。ミストルティアは騎士の国と聞いたが、案外そうではないらしい。まあ、良い。ミストルティアの王子ユスティーツェよ、この俺と一騎打ちをしろ!お前が勝てば、この猛獣魔将、潔く軍を退こうではないか」


ユスティーツェ:一騎討ち、するか……


GM:ガチ一騎討ちです。受けるなら事前バフ1ラウンド許可します。魔物知識判定はしていいよ


ヒルダ:(コロコロ……)(6ゾロ)やったわ


GM:弱点まで抜かれたわ


魔物知識判定に自動成功はありませんが、ヒルダはしっかりセージ技能を持っているため、純粋に高い達成値によって弱点まで判明しました。

グロティガはボルグビーストマスターと名付けたオリジナル魔物です。5レベルで、戦神ダルクレムの神聖魔法4レベルと、補助動作で分類:動物のキャラクターの命中力、打撃点をそれぞれ+1、+2する能力を持っており、宣言特技斬り返しを習得しています。

戦闘のルールは、いずれかのHPが半分を切った場合決着がつく、というものです。とはいえ、ユスティーツェ側はダイスが大回転して一撃で死亡させる可能性もあるため、どちらかといえばPC側が有利な状況。

ユスティーツェはミミィから幸運は勝ち戦を授ける(先制値上昇)、リファーからストーンガード(1度だけ物理被ダメージ-5)、リーゼロッテからフィールド・プロテクション(物理、魔法被ダメージ-1)を受け、戦闘に臨みます。

先制はギリギリでユスティーツェが取り、戦闘開始!彼我距離は5mの上級戦闘ではありますが、二人にとって特に意味は無いでしょう。


猛獣魔将グロティガ:「準備は出来たか?では行くぞ!」


正直あれだけバフを貰って一騎討ちも何も無い気がしますが、このグロティガ、文句は言いません。


ヒルダ:初手恩寵魔力撃して2ラウンド目真の銀の剣起動が良いかしら?


ヒルダの意見に異論は出ず、ユスティーツェは剣の恩寵を使って命中判定を試みます。


ユスティーツェ「――――――殺す……!」


なんとこれは6ゾロで命中


ミミィ:殺意~


ヒルダ:回せ回せ~


しかし威力表は奮わず(出目3)、半分までは20点を残すことになりました。

グロティガの斬り返しは一発目から出目10で命中し、14点の打点を出しますが、Bランクとはいえ金属鎧を着ているユスティーツェのHPを半減させるには至らず。


ユスティーツェ:真の銀の剣起動で魔力撃


GM:6ゾロチャレンジ(コロコロ……)(出目が6)当たったね


ユスティーツェ(コロコロ……コロコロ……)一回転して33点


ヒルダ:流石です、お兄様!!


リファー:殺意~~


ミミィ:さっ、殺意~~~


ヒルダ:これは主人公ね


ユスティーツェ:(素に戻って)殺意の塊だ……


ユスティーツェはこういった時、上手いこと出目が応えてくれることが多いように思えます。


ヒルダ:(HP)半分切ったのでイベント?


GM:そうだね


リファー:はやい


ヒルダ:負けイベント粉砕!


猛獣魔将グロティガ:「ぬっおおおっ!?」


猛獣魔将グロティガ:「ぐぅ……俺の負けだ。約束通り軍は退こう」


ユスティーツェ:「…………去るならば、殺さん」


猛獣魔将グロティガ:「後日改めて決着をつけたい。場所はそちらが指定して構わん。お互い仲間を引き連れての集団戦としようではないか」


ユスティーツェ:「…………甘い男だ、だが……いいだろう」


猛獣魔将グロティガ:「ありがたい。ではこいつを預ける。場所と日時が決まったら手紙を足にくくりつけてくれ」鳥を預けられます


ユスティーツェ:預かる


GM:ではグロティガは去って行きます


リーゼロッテ:「お兄様!ご無事ですか!」


ミミィ:「……いいのにゃ?」


ユスティーツェ:「……ふっ、殺すと決めていた筈だがな。アレの実直さを見て誰かを思い出した、それだけのことだ」


ヒルダ:「……そういうの、私は良い物だと思うわね?」


アイロング王子:「まさかあの猛獣魔将に勝ってしまうとは。流石だユスティーツェ、君はこの国を救った英雄だよ」


ユスティーツェ:「よせ、それにまだ勝ちではない」


リファー:「ええ。決着は後回しにしただけ……次は集団戦。となれば、対策を」勝って兜の


ナオ・ミミィ:「確かに、奴は軍師タイプだにゃ。一騎討ちは……なんだったのかにゃ?」


アイロング王子:「そうだな。何か必要なものはあるか?ある程度なら用意しよう。まあ、僕一人に動かせるものは限られているが……」


実はこのイベント、もしユスティーツェが一騎討ちを断ったり、逃げ出したりすれば、アイロング王子が死亡する予定でした。結果的に、現状NPCは一切死亡していないことになります。


GM:一人2000ガメル渡す(今回の報酬枠)ので、何か要るものあったら買っておいて。簡単な消耗品くらいならアイロング王子が工面してくれるし。


ヒルダ:うーむ、2000ガメルか。ミモレのために貯金しておくかな


ヒルダは蹴りと投げを主体としたグラップラーのため、ミモレの布鎧を活かすことが出来ると考え、購入を検討していました。


ユスティーツェ:「戦の場所を用意して欲しい、他の手助けは無用だ」


アイロング王子:「わかった。この近くに見晴らしの良い丘がある。そこがいいだろう」


ユスティーツェ:「わかった、重ね重ねすまないな」


アイロング王子:「何、友のためだ」


ミミィ:じゃあ射撃部隊を控えさせて……


GM:やってもいいけどユスティーツェから滅茶苦茶不興を買うと思うよ、それ(笑)


ユスティーツェ:流石にキレる


ミミィ:いやまあ冗談だにゃ


ヒルダ:幸運のお守り(戦利品判定+1)買っておくか。元は取らせてもらうわよ


リファー:ライト棒と鏑矢を買ったぞ(原文ママ)


GM:ただの軽い棒じゃねえか。それとも光るのか?


ユスティーツェ:アイドルオタクかな?


一同:(笑)


テキストセッションだとこうしてちょっとした誤字から笑いが生まれることもあります。


リファー:ノーマル棒→ライト棒だぞ


GM:ランク下がってるように見える(実際はノーマルボウがBランクでライトボウがAランク)


ミミィ:棒、いっぱいあるにゃ


リファー:大賢者、多分15いってもマンボウ持てないんですよね


GM:略し方


マンボウはエイトマンボウ(ボウSSランク、必要筋力30の強弓)の略ですが、マンボウだと途端に弱く聞こえてしまいます


ヒルダ:大賢者は源為朝(史実において八人張りの大弓※すなわちエイトマンボウを使いこなしたと言われる平安時代の武将)にはなれなかったのね……


八人張りではなく五人張りだったなどと諸説あります。源義経が川に弓を落とした際「叔父の為朝が如き八人張りの大弓ならばいざ知らず、あれを拾われて源氏の大将九郎義経が弓よと笑われたらたまったものではない」と部下に急いで拾わせに行った、というくだりは、古典の授業で習った方も多いのではないでしょうか。

閑話休題。


GM:まあまあ、そんな感じで。場所を書いた紙を鳥にくくりつけて送ると了承の旨が返ってきますね。後日、丘にグロティガと、配下の動物達がやってきます。他に一切軍勢を連れてきている様子はありませんね


猛獣魔将グロティガ:「待たせたな」


ユスティーツェ:「それで全てか」


猛獣魔将グロティガ:「多かったか?だが、これで最低限なものでな」3匹いますね


ヒルダ:桃太郎じゃないの


とはいえ犬、猿、雉ではなく山猫、山猫、山猫ですが。


ヒルダ:「……潔いのね?」


ミミィ:「大人しくやられてくれるのは手間がなくていいにゃ?」


猛獣魔将グロティガ:「卑怯な手や数に任せて戦って勝ったところで、俺はそれを誇れん」


ヒルダ:うーむ、難儀な男ね……


猛獣魔将グロティガ:「俺は純粋な闘争を求めている。仮に相手が人であろうがコボルドであろうが、強く、気持ちの良い者であったなら、敬意を忘れることはせん。お前達は違うのか、人の子達よ」


ユスティーツェ:「――――――甘いな、だが……嫌いではない」


ミミィ:「トロールみたいなこと言うにゃぁ」


ヒルダ:「――――――えぇ、違うわね?私が拳を握るのは生きる為。そして、何よりも……美しく、舞う為なのよね?」


猛獣魔将グロティガ:「人の強さは団結と絆にあると聞く。俺達蛮族では望めない力だ。俺にその力を見せてくれ」


猛獣魔将グロティガ:「真銀王の剣を持つ者よ、ユスティーツェよ。お前の故国を滅ぼしたのは我らだ。恨む気持ちはあるだろう。だが、この一時だけは遺恨を忘れ、お互い一人の戦士として戦って欲しい」


ユスティーツェ:「────――忘れることは出来ん、だが、一人の男として此処に立つことは、約束しよう」


猛獣魔将グロティガ:「ありがたい。さあ、最早言葉は無用!この一戦、心躍るものとしよう!」


リファー:「(青いものだ……若い頃、私と比肩できるほどの弓の名手と出会えたなら……そう問うてくれたなら……きっと私もそう答えたろうに)」


ミミィ:「(なんか黄昏てるにゃ……)」


GM:というわけで戦闘です。動物達の魔物知識判定だけしてね


これには難なく成功。グレイリンクスであることがわかります。3レベルと、同格か少し格下程度の敵ですが、グロティガの能力により、攻撃面ではそれなりに脅威となりえる敵です。

先制も奪取し、まずは作戦会議


ヒルダ:兎に角数を減らしたいわね。猛獣指揮(先述した命中と打撃点を上げる能力)からの3連打は避けたい。ユスティーツェがやられかねないわ


リファー:雷鳴の矢撃ちます?


ヒルダ:まあ撃ち得でしょうね


ミミィ:じゃあ大賢者の命中バフしてヴォーパルウェポンB坊ちゃんに投げるか。雷鳴よろしくたのむにゃ


ミミィの判定は問題無く成功。続いてリファーが雷鳴の矢(命中判定の達成値を生命抵抗力判定の目標値として抵抗、失敗で1ラウンドの間耳が聞こえなくなり、結果的に行為判定-2にする矢)を放ちます。高い命中力故にグレイリンクスは当然のこと、グロティガも抵抗出来ず。


猛獣魔将グロティガ:「ぬぅっ!?面妖な……」


続いてリーゼロッテが怒濤の攻陣Ⅰ(物理ダメージが上昇するので、先に動いておくべきでしたが)とフィールド・プロテクションをかけ、攻防共にサポートします。


リーゼロッテ:「一気呵成に!」


ヒルダ:「了解ね?」受けます


ヒルダ:じゃあどうしようかしらね……素直にグレイリンクス二体ワンキルしようかしら


ミミィ:まぁ数からだにゃ。坊ちゃんは15点出せるかにゃ?


ユスティーツェ:固定値で15点は超えてる


ヒルダ:じゃあ1は任せたわ。お先にどうぞ


ユスティーツェの攻撃は危なげなく命中し、グレイリンクス1を葬ります。

ヒルダもそれに続き、2体目も無事撃破。流石に耐久面では勝てません。


GM:全員終わったな。グロティガはフレンジィをかけます。


範囲内のキャラクターの逃亡を禁止し、精神効果属性を無効化し、あらゆる物理、魔法与ダメージを+2点するという戦神ダルクレムの特殊神聖魔法です。この効果はユスティーツェやヒルダにも影響を及ぼします。


猛獣魔将グロティガ:「決して逃げはせん!全霊でかかってこい!」


そのまま猛獣指揮を発動させてグレイリンクスがヒルダに攻撃するものの、軽々と回避されていしまい、手番が返ります。

リーゼロッテは鼓咆を怒濤の攻陣Ⅱ・旋風(命中+1)に変更した上で、モラル(命中+1)を演奏し、命中力を極限まで高めます。モラルは巧奏値も抜き、終律の準備まで完了しました。

占瞳のバフが切れない内にユスティーツェがグロティガに攻撃しますが……


ユスティーツェ(コロコロ……)あっ(出目3)


猛獣魔将グロティガ:「甘いッ!」出目9で回避


しかし、達成値の上では3の差であり、指輪の破壊と恩寵で命中させることが出来ることに気が付き、それを実行


リーゼロッテ:「お兄様!もう一歩です!」


猛獣魔将グロティガ:「むっ、何ッ!?」


威力表は出目8を出し、19点の適用ダメージを受けることに


ヒルダ:レベル3のダメージか?コレは……


GM:一撃で3分の1持ってかれるんだけど!?


ヒルダ:(笑)


高筋力から繰り出される魔力撃、恐るべし。

続いてヒルダは最後のグレイリンクスにトドメを刺しにいき、これも撃破され、残るはグロティガだけとなります。


リファー:ファイアボルトですかね。小火(コロコロ……)


出目は良いものの、これはグロティガが同値を出します。


リファー:恩寵をください


ヒルダ:使うならナオかしら?


ミミィ:「健忘症はよすにゃ!」


リファー:「そこまで耄碌する歳でもありませんよ!!」


猛獣魔将グロティガ:「くっ、魔法攻撃か……」


9点の魔法ダメージがきっちりと通ります。これでHPはほぼ半減。そうして手番はグロティガに移ります。

斬り返しで優先的にユスティーツェを狙っていきます。様々な要因で回避の下がっているユスティーツェはこれを避けられるはずもなく、痛恨撃こそ発動しませんでしたが、大きなダメージを被ります。


猛獣魔将グロティガ:「食らえィ!」


ユスティーツェ:「グゥッ――――――!?」


リーゼロッテ:「お兄様!」


ヒルダ:「良い一撃。けどね?それが命取りって事もあるのよね?」


手番が返り、ヒルダが剣の恩寵を使用して囮攻撃+投げ攻撃のコンボを決めてきます。剣の恩寵によって囮攻撃の命中低下すらほとんど踏み倒しており、GMとしては絶望的な一撃です。しかも


GM:(コロコロ……)あっ(ピンゾロ)


ここに来てピンゾロを振り、容赦無く投げが叩き込まれます。ダメージも18点と、ユスティーツェの魔力撃にも劣らないダメージ!


GM:いっっっった!!??


ヒルダ:「せいやァッ!」


猛獣魔将グロティガ:「うおおおおおッ、この俺の巨体を投げ飛ばすとは!!」


ユスティーツェ:真の銀の剣起動(ゲーム内で1日経過しているため、再使用が可能になっています)、魔力撃


ユスティーツェ:「────――獲った!」


これは出目が良く、グロティガに完璧な一撃を与えます。


猛獣魔将グロティガ:「ガハッ!」


猛獣魔将グロティガの戦い、これにて決着!

剥ぎ取りは合計で840ガメルになりましたが、流石に幸運のお守りの元を取るには程遠い額。


そして、グロティガとの決着後の対話が行われます。


猛獣魔将グロティガ:「負けた負けた!ここまで気持ち良く負けたのは始めてだ!俺の命は好きにしろ、それが勝者の特権だ。この戦いをダルクレム様に捧げられたのなら、最早悔いは無いわ!」


猛獣魔将グロティガ:「ユスティーツェよ、良い仲間を持ったな……そうさな、俺も次に生まれ変わる時には、人になってみたいものだ」


ヒルダ:まあこの性格とはいえ蛮族だしなあ。殺すのが礼儀といえばそうね。生きて償えってのも蛮族相手には通らないし。生きる為に(人を)殺すのが蛮族だから。さぁ、ユスティーツェ


猛獣魔将グロティガ:「ユスティーツェよ、恨みを忘れろとはもう言わん。だが、恨みだけで戦うな。そうしてしまっては、俺達蛮族以下だ。お前には、これほど素晴らしい仲間達と、父から受け継いだ高潔な心がある。真銀王の剣の一太刀、見事であった」


ユスティーツェ:「…………お前の命など要らん、戦場で会えば殺す。それまで生き恥を晒していろ」


猛獣魔将グロティガ:「なっ……!フフ……ハハハハハ!わかった、良いだろう!ならば俺は更に己を鍛え上げ、お前の終生の好敵手としてあろうではないか!ユスティーツェよ、邪王ヴォルディガは強い。死ぬなよ」


ユスティーツェ:「────ああ」


ヒルダ:これは再登場しそうね……


ユスティーツェ:普通に戦場で会ったら殺すが一騎討ちを望んできたからこの形式で殺すのは気分が悪い。


猛獣魔将グロティガ:「では、さらばだ。また会おう!」どこへともなく去って行きます


リーゼロッテ:「私達と価値観は違いましたが、それでも、強く気高い心を持った方でしたね……」


ヒルダ:「あんなのも居るのね……?」


ミミィ:「割と面倒臭いやつだったにゃ」


ユスティーツェ:「………………果し合いで命を預けられた、故に殺さなかっただけだ」


リファー:「随分と甘い決断です。しかし、悪いとは言えませんがね」


ユスティーツェ:「……戦場で兵を率い、相まみえていれば間違いなく殺していた。形の問題だ」


ヒルダ:「(……良い傾向、かしらね?)」


リーゼロッテ:「一度クレイモルに戻りましょう。アイロング王子が帰りを待っています」


ヒルダ:というワケで凱旋よー!!


GM:クレイモルに戻ると、アイロング王子が駆けつけてきて、グロティガに勝ったことを報告すると君たちは英雄として讃えられます。その日一日は宴になりますね。


GM:ということで今回のセッションはここまで


一同:お疲れ様でしたー


今回の経験点は2500点に90点を加え、更に一騎討ちの勝利ボーナスで500点を追加して3090点。名誉点は17点、報酬金は途中に渡した2000ガメルに剥ぎ取り分が168ガメルで2168ガメル。

経験点は多かったものの、ヒルダがドルイドを新たに取得したりするなど、全体的にサブ技能を伸ばしていた印象が大きいです。この頃にモンストラスロアが発売され、ユスティーツェはプリーストに代わってデーモンルーラーを取得するようになっていきます。では、また次回にお会いしましょう。

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