ジャッジメント ー審判ー

@UYA722

第0話 プロローグ


「おい新入り!しっかり氷砕け!!」


 「はい!!」



 突然だか、俺は今何処にいると思う?  

  答えはカニ漁船だ。



 何でこんな所にいるかって、大学卒業間近で手当たり次第応募してたら唯一ここが受かったさ。こうして俺はニート回避出来たわけだが、正直この仕事、甘くみてた…



 船、めっちゃ揺れるし 500キロのかご投げなきゃいけないし(クレーンで重さは半減だけど) 常に氷砕かなきゃいけないし 


 とにかくものすごいキツい!!



「おい!お前ら今から2時間休憩だ、しっかり休め!」



    ―休憩室―


 「やっと休憩だ~ めっちゃ疲れた…」


「お疲れ 裕希も今から休憩か?」


 「あぁ しかし、今日は本当に死ぬかと思ったよ」


「今日も生きてられることに感謝だな、何気に未だ無傷なの俺たちだけだし」


 「それな、これで次の面接、長所は生命力ですって言えるな」



 おっと紹介が遅れてたな、こいつは叨哉 


 大学で知り合った俺の唯一の友達だ


 同じ歌手が好きで何気に気が合うんだ



 ちなみに叨哉も俺と同じ経緯で今に至っている


こういう所も俺と気が合う



 俺たちは飯を食った後、寝ることにした。



      ―寝室―


 こんな揺れるところで寝れてるなんて、本当慣れってのは恐ろしい…


 今ならジェットコースターに乗りながらでも居眠り出来そうだ。 



 そんなことを考えてるうちに俺は眠気というモンスターに気絶させられてしまった。



     ―50分後―


 いつもより激しい揺れと、バカ騒ぎをしているかのような大きな声で目が覚めた。


 「あ~! うるさい!! なぜ今騒ぐんだ」 


 寝室にいる全員が目を覚ました ただ一人、叨哉を除いて 


  眠り深っ!



 すっかり目が覚めてしまったのでバカ騒ぎしてる所に行くことにした。


  俺の眠りを妨げた償いをさせてやる!



 どうやら外で騒いでいるようだ 余程大量だったのだろう それか遂にイカれたか



 外に近づいてくと、喜んでるような声ではなく、どこか焦っているような声が聞こえる


 この時俺は嫌な予感がした こういうパターンは大抵ろくなことがない



 急いで外に出ると 俺は恐怖した なんと海に竜巻が出来ていたのだ。


しかも3本も!! それだけじゃない、船が竜巻に囲まれて身動きが取れない状況だ


 俗に言うバミューダトライアングルって奴だ



  これは騒ぐわな 



 徐々に迫りくる竜巻 破損していく船 もう持たないだろう



 次の瞬間 猛スピードで、大型トラックとダンプカーが衝突したかのような音とともに俺たちは海に引きずり込まれた



 沈み行く中で走馬灯のようなものが流れた


 「この23年間、意外と悪くなかったな」


この時俺は思い出した いやまて、俺まだ童貞じゃね 


 「童貞のまま死ねるかーー!!」


このまま死にたくない せめて一発…



 この思いが奇跡を生んだ


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