第139話<一般人>

グヌヌ……。

ステータスやLvは目茶苦茶上がってるのに、何の役にもたてね-。


挽回しようの無い状況なのに、何か出来るのかと云わんばかりなトウの視線がグサグサ刺さりやがる。


そんな事を考え落ち込む俺を見透かしたかの様に、恒例の笑い声が聞こえ。


ウスロスが妖しい笑みを浮かべ、話し掛けて来た。


「そういえば貸していた魔力を、まだ返して貰っていませんでしたね」


今はそれどころじゃねーよ、コイツ絶対タイミング狙って言ってやがるな。


悪魔か!イヤ魔簇だな。


問答無用で、ウスロスに増えたばかりの魔力は大量に奪われ。


俺の魔力は一桁代になり、本当に何も出来なくなってしまった。


「ククク……、勿論。利子は頂きましたのでお気になさらず」


お気になさらずじゃねーよ、なさるよ普通に。


利子取り過ぎだろ。


肩書き魔王なのに、これじゃ-只の一般人じゃねーか。

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