第18話 たまごかけごはん

 今日は『たまごかけごはん』の日だそうだ。(執筆当時)

 私も、卵かけご飯は好きで有る。


 炊きたての”あつあつ”ご飯に、産みたての鶏卵を小鉢に割って、その卵にお醤油を少し垂らし、ある程度かき混ぜたらご飯の上にかけて、掻き込むように食べる!


 するすると食べられて、卵黄身の濃さと旨さを感じ、白身が潤滑剤の役割を同時にこなす。

 茶碗一杯の卵かけご飯なんて、余裕で有る。


 ……


 それが、卵かけご飯の理想らしいが、私はそれを……子ども時代に経験したことが有る。

 現在…。私が食べる卵かけご飯は、冷たい卵ばかりで有る。


 あの頃が懐かしい……


 ☆


 私の父実家は農業をしており、鶏も飼っていた。

 本当…。ドラマの世界に出て来そうな、山間に有る農家で有った……

 祖父は私が物心付く前に亡くなっていて、祖母の一人暮らしで有った。


 父の実家は遠方に有るので、一年に一度しか遊びには行かず、また、その帰路に就く当日の朝食時。祖母は私達家族のために、産みたての鶏卵を毎回用意してくれた。


 だけど、当時の私は……


『生温かい卵なんて、気持ち悪いよ!///』

『そんなのより、普通の卵が良い!!』


 と、私は間抜けで有るから、鶏卵は冷たい物が当たり前だと認識していた。

 だって、スーパーで売っている鶏卵は冷たいし、それを更に冷蔵庫で保存する。


 鶏卵を”うんち”のように、汚物目線で私は見ていた。

 鶏卵は『総排泄こう』から出てくるので、汚物うんち類が付着している。


 当然。卵をゴシゴシ洗ったら卵が割れるので、スーパーで売っているような、真っ白な卵では無く、部分部分にやや茶色さが残っている卵で有った。


 あつあつのご飯に、産みたての卵……!

 最高の贅沢を、最悪な朝食と、捉えていた時期が私には有った……///(汗)


 冷たい卵で、卵かけご飯を食べることに慣れていた私は、どうしても抵抗が有った。

 特に白身が生温かいと……鼻水そっくりに成るからだ!?

 白身は冷たいから、白身で有り、生温かい白身は苦痛でしか無かった。


(食事中にもし、読んでいましたらスミマセン<(_ _)>)


 ☆


 父の祖母は既に他界しているし、産みたての鶏卵を食べられる伝手を、私は持っていないので余程のことが無い限り、産みたての鶏卵を食べる機会は二度と無いだろう。


 あの時に食べた、卵かけご飯を今食べたら、私はどう感じるのだろうか?


『うまい!』

『これぞ、究極の卵かけご飯だ!!』


 と、のたまうのだろうか!?


 ……


 無知は、本当に愚かだ。

 最高の贅沢品を、嫌々な顔で食べていたのだから……


 今回は、少ししょっぱいお話しでした///


 第18話 おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

たべものがたり 小春かぜね @koharu_kazene

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説