異形の少女*🌺＊✰⋆*

第4話⁂美しい樹里亜！⁂

東京都八王子市の田園地帯にお洒落な西洋風のお城のような作りの豪邸山城家があります。

２０１２年梅雨入り間近の6月中旬＊＊＊

山城産婦人科院長の山城達也53歳は妻弥生47歳と娘樹里亜13歳の3人家族。

一見幸せを絵に描いた様な家族なのですが？

実は娘の樹里亜は5年前の交通事故で意識不明の昏睡状態なのです。

樹里亜は成績優秀で元ミス東京の美人の誉れ高い母親譲りの美貌をそのまま受け継いだ非常に美しい華やかな薔薇の花のように美しいお嬢さんなのです。

美しい妻と愛らしい一粒種の娘樹里亜にも恵まれて達也は幸せいっぱいです。

ご近所さんも「美人の奥様と絵に描いたように可愛いお嬢さん本当に御羨ましい事！ホホホホ」と褒められ有頂天。

こんな幸せが未来永劫続くと信じて疑わなかった達也なのですが？

忘れもしない5年前の２００７年6月どしゃ降りの雨の中の学校帰りに右折して来た車にぶつかり大切な一人娘樹里亜は昏睡状態に陥ってしまったのです。

達也と妻弥生は不幸のどん底に突き落とされています。

不妊治療の末やっと授かった娘がこんな悲惨な状態になり絶望感に打ちひしがれています。

深い悲しみに一時は死を選ぼうとした程なのです。

そして2人は苦しみぬいた結果ある手段にたどり着くのです。

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一方樹はあれ以来母の一挙手一投足に目を光らせていますが？

ひょんな事から母の不貞を確信したのです。

今年の梅雨は降水量が異様に多いどしゃ降り雨が続いています。

6月下旬のある日、母が余りのどしゃ降りに見舞われビショビショになり家に帰るなりワンピースを脱ぎ半裸状態でバスタオルで身体を拭き出したのです。

するとあの湖畔の美しい女性と寸分変わらぬ腰のアザを発見。

｛アアアア！やはりあれは紛れもない母だったのだ！｝と確信したのです。

家族で毎年夏休み期間中にキャンプに出掛けている桐谷一家。

2年前のあきる野市にあるキャンプ場での事です。

都心からわずか1時間ちょっとの緑に囲まれた静かな場内に木の香りで一杯の͡格安コテ－ジが立ち並ぶキャンプ場です。

毎年恒例のキャンプ、いつものように屋外でのバーベキューを楽しもうとバ－ベキュ－コンロに火を付けたのですが、あいにくの強風の為、母のポシェットに火が引火、腰の辺りに半径10㎝ほどのヤケドを負いアザが出来てしまったのです。

まあ大惨事だけは免れたので幸いでしたが？

1年前のあの日、何処かで見た事のある美しい妖艶な………？別荘のガラス越しの美しい肌も露わな女性の腰の辺りにくっきりと？？？あのアザ？………アアアア！あれは母と同じ場所にある…アザ？

｛嗚呼！あれはやっぱり母だったのだ！………そう言えば母は月に2回位、仕事があるからとよく1泊で出掛けている。

母は父と言う大切な人が有りながら何故あのような事をしているのか？

許せない！許せない！不潔で裏切り者の淫らな母の顔など見たくない！｝

ある日等々我慢が出来ずに父に「ママがどこに出掛けているのか知っているのかい？おやじ～？俺？見たんだ～！」

「何を？」

「ママが男の人と2人で………いるところを？…大丈夫？」

ですが？父の顔から全て悟っているような・・・？分かっているような・・・？

一体何を考えているのか？自分の妻が他の男のオモチャになっている事を知っていながら静観出来る父は母の事などどうでもいい存在なのか？

只々両親が許せない樹なのです。