異形の少女*🌺＊✰⋆*

第2話⁂うわさ話！⁂

翌朝の教室では昨日の妙な出来事の話で持ち切りです。

「な～んかあんな場所が近場に有ったなんてビックリした！広～い敷地内には芝生が敷き詰められ一面に所狭しと薔薇が咲き誇り、お城のような作りの？？？高い塀が有り、な～んて書いてあったかな～？す～ご～く可愛い女の子がお家で夜でもないのに普段着とは違うドレス？ネグリジェ？そんな格好で庭で軽やかに踊りながら戯れていたんだ～？誰かが居たのか？それとも蝶々や小鳥を追いかけて居たのか？一瞬で消えたんだ～？あれは何をしていたのかな～？」

樹と利也は昨日の出来事が本当の事なのか？疑心暗鬼になっています。

「あんな場所なんて今までに一度も見た事もない！皆で行ってみないか？」

「よ～し行こう！そんな可愛い子なら是非お目にかかりたい！」

「俺も行く！」

「俺も！」

「俺も！」

そして次の日曜日、部活のサッカーを中途で抜け出しその場所に向かったのです。

「オイ確かにこの道だったよな～？」

「………たぶん？」

行けども行けどもあの屋敷には行き着きません。

すると美しい湖のような池にたどり着いたのです。

その美しい池の水鏡に青々と生い茂った木々や赤や黄色の花々を映し出す何とも美しいこの池にしばらくの間只々見入っています。

するとその時どこからともなく「いい加減にしなさい！又出歩いて！」

遠くから怒鳴り散らす中年らしき女性の罵声が聞こえて来たのです。

「うううう～！だって～？うううう～！」

泣いている子供の声が？

「オイ行ってみよう！」

駆け足で声のする方向へ向かったのですが、妙な壁にさえぎられて行き止まりです。

「これは何なんだ～？」

「妙な壁だよなぁ？気味が悪いから帰ろう！」

「まあこの前の事は何かの見間違えに違いない！」

「違う違う俺も見たから！」

「よ～し気長にまた探してみよう！」

するとその時木々の陰から誰かが？

付けられているのか？

一瞬の事ですが？がっしりとした体型の若い目付きの鋭い男が足早に立ち去ったのです。

「な～んか不気味だな～？」

「ホント！ホント！サッサと帰ろうぜ！」

その時一台の大型トラックが。

するとその時荷台がアルミ製の箱型トラックの中から何か動物なのか？

「グウウウ————ッ！」異様なうめき声が？

恐ろしくなり駆け足で帰路に着いたのです。

それから数日後樹は家族と最近心不全で入院したばかりのおばあちゃんの病気見舞いに病院に向かったのです。

すると待合室にこんな無機質で簡素な病院には到底似つかない、まるで別世界の一際目立つ薔薇の花のように美しいあの少女を目撃したのです。

そして急いで後を付けたのです。

するとあの時森の中を付けて来た若いガッシリした男が突然ぶつかって来たのです。

一瞬の隙に少女は消えてしまったのです。

一体あの少女は只の幻なのか？