第4話 ツンデレとヤンデレ その2
「はぁ? 今なんていった!?」
「ただのヤンデレじゃねぇか!! ○奈もよ!!」
「薫ぅぅぅぅ!!」
「なんだよ直、やろうってのか?」
「やってやろうじゃないか!! ほら!! さっさとかかって来いよぉぉぉぉ!!」
「失礼します、遅れて申し訳ーーうわぁぁ!!」
この状況を見たこの生徒会唯一の後輩かつ良心の涼宮晴美(すずみやはるみ)ちゃんが驚きの声を上げる。
ちなみに、初対面の彼女に対して直が「なぜ、ひじゃなくてみなんだぁぁぁ」と絶叫した。
更に、狙ったのかそれとも偶然か……その時、ハ○ヒに似たカチューシャをしていたため余計に悔しがっていた。
ちなみに、役職は会計。
「お~! 晴美ちゃん、良いとこに」
「ひぃぃぃさつ!! シャァァァイニング!! あら晴美ちゃん、来てたの?」
俺が【ヒー○エンド!!】されるギリギリのところで、晴美ちゃんの存在に気づいた直の右手が止まる。
本当に金色に光り輝いているように見えたのは気のせいだということにしておこう。
「なっ、何してるんですか! 会長!! それに先輩!!」
晴美ちゃんが、真っ赤な顔をして俺たちを叱る。
が、ぶっちゃけ、かわいい。
怖い0.1、可愛い99.9の比率だ。
いや、もう、100かわいいしかない。
「なっ、なんで二人ともほんわかした表情してるんですか!! 晴美は怒っているんですよ!!」
晴美ちゃんは変わらずぷりぷりと怒っているが、直もおそらく俺と同じなのだろう。
顔がだらしなくにやけていた。
「う~ん、お持ち帰り~」
「えっ? うわぁぁぁ!! 止めてください会長~」
直が、○奈ばりの早技で晴美ちゃんへ抱きつく。
抱きつかれた晴美ちゃんは、ぶんぶんと手を振り、直を振り払おうと必死のようだった。
「晴美ちゃんの匂いが、晴美ちゃんの匂いがする~」
「いやぁぁぁぁ!!!!」
直が某ホラーゲームの校長ばりに気持ち悪い声で名前を呼び続け、晴美ちゃん目には涙を浮かび始めた。
晴美ちゃんは、そういったホラー系のゲームはまるっきりダメなようで、元ネタを尋ねた晴美ちゃんのために、後日俺が持って来たそのゲームのジャケットを見ただけで失神するほどである。
「あらあら、また、やってるのね……」
いつからいたか、直と晴美ちゃんの一連のやりとりを見守っていた人物は、今期
生徒会書記
神楽坂星奈(かぐざかせいな)
この生徒会一の……。
「相変わらず、興奮させてくれるわね……」
この光景に生唾を飲み込み舌なめずりをする、言わずもがな、変態である。
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