とある生徒会の日々に(一学期)
縛那
第1話 共通パートってスキップしがち その1
「っち、だめだだめだ! こんなんじゃ明日までに終わらない」
ほとんどの人が、寝ているであろう深夜、俺は頭をかいて、一人苦悩していた。
「ったく、会長も無茶を言ってくれる。いくら俺でも出来ることとできないことがーーはぁ……」
ノートパソコンの画面を見つめ、椅子に背を預けたままため息をつく。
現在、絶賛制作中の資料は、明日生徒会で使うものである、が・・・・。
ふと横を見ると、びっしりと会長の要望が書かれたメモが山を作っていた。
会長は、明日までにこの全ての案を取り入れ、まとめた資料を仕上げろと俺に命令を下した。
そんな会長の無茶苦茶な難題もどうにか半分までは消化し、まとめることが出来た、がっ!!
「ったく! 後半はほとんどあいつの願望じゃないか!! こんなのどうやっーー!!」
背後に【気配】を感じ、勢いよく振り返る。
「なんだなんだ? 美少女なら、大歓迎だぞ?」
冗談を言いつつ、注意深く辺りを見回す。
すると部屋の片隅で、何かが光っていた。
用心深く近づいて見てみると、見たことのないカードが一枚落ちていた。
「なんだ、、これ……」
その不思議なカードを手に取り、じっと見つめていると突然、凄まじい揺れが俺を襲った。
「なっ、なんだ!! 地震か!!」
とっさに小学校の頃の防災訓練のごとく机の下へと潜りこむ。
揺れはすぐに収まり、注意しつつゆっくりと机の下から出る。
「なんだか色々と嫌なことが続く日だな……って!もうこんな時間かぁ、、少し、仮眠を取ろう。今日も学校だしな」
疲れきった体を乱暴にベッドへ預け、眠りにつく。
だが、しばらくして外の激しい物音によって俺は目を覚ました。
「なんだ!?」
すぐさま、カーテンを開け、窓から外をのぞく。
「なんだよ、、これ……」
窓から見た道には、何か【巨大な生物】でも通ったかのような【巨大な足跡が】くっきりと残っていた。
外には俺と同じように窓から外を見て驚いている人がいたり、興味本位で見にきた野次馬たちがいたりで、深夜だと言うのに酷く騒がしかった。
「なんだ? まだ夢の中にいるのか……?」
頬を抓ったり、頭を殴ってみたりもしたがどうやら現実らしい。確かな痛みがあった。
間違いなく【夢】ではなく【現実】なんだと、理解せざるを得なかった。
ふと、机を見れば、いつの間に置いたのか、さっきのカードが置かれていた。
俺は、再びその不思議なカードを手に取り、見直してみるといくつかの発見があった。
そのカードには、俺と良く似たRPGのキャラクターが武器と鎧を身にまとい、下段にはハートマークが3つ書かれていた。
何か、他に手がかりはないかと探してみるが、それ以外は何もわからなかった。
「なんなんだ? ぶっちゃけ『超展開過ぎてワロタ!』って感じの展開になりつつあるぞ……」
頭を抱えつつ、俺は再びベッドに横になる。
やがて、心地よい眠気がおとずれ、そのまま深い眠りにつく。
そして……再び起きた俺の目の前にはーー。
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