第55話邪智暴虐ゲネイオン

ブーーーー…!


映画は終了し照明が付けられた。

そして俺は映画の余韻に浸っていた。


…すごく良かった。


本当にこの一言しかない。

特にジョンが帝国の裏ボス邪智暴虐ゲネイオンを顎で倒すシーンはかなり痺れた。

そして俺は水瀬さんの反応を見る為に隣を見ると…


「うぅ…ジョン、頑張りましたね…!」


と、泣いていた。


「水瀬さん…これ使って下さい」


俺はハンカチを渡した。


「あ、ありがとうございます…うぅ…」


そして5分ぐらい経ち水瀬さんも落ち着いたので俺達は近くのカフェに向かった。


「いやぁ…最高でしたね〜」


「はい!可愛い子犬達も見れましたし大満足です!」


そうお互い感想を言い合っていたのだが…


「ふぅ…。そうだ、覚悟がどうとか言ってましたけどなんの覚悟をしたんですか?」


俺はふと、気になった事を聞いてみた。


「え〜っと…あ、あはは…気にしないでください。私の予習が無駄になっただけなので」


そう言い遠い眼差しをしている水瀬さん。


「すごく気になるんですが…」


俺がそう言うと水瀬さんはゆっくりと首を左右に振った。


「あ、はい。大丈夫です、もう聞きませんから」


「そうして貰えると助かります。さて、この後はどうしますか?」


「う〜ん…帰ってもする事が無いんですよね〜」


と、俺が言うと水瀬さんは両手をぽんと叩き…


「じゃ、じゃあ…お願いがあるんですが、いいですか?」


と、言ってきた。


「はい、大丈夫ですよ」


「本当ですか!?あのですね、服を見に行きたいのですが…和泉さんの意見が聞きたいのです」


「え?俺の?」


「はい!」


そう水瀬さんは笑顔で頷くが…


「えっと…俺センス無いですよ?」


「大丈夫です!今日は買う訳じゃなくて和泉さんの好…じゃなくて男性目線の意見が知りたいのです。だから、そんなに気を張らなくても良いですよ」


と、水瀬さんが力説してきた。


「そういうことなら…」


「よし…!」


「…水瀬さん?」


「な、なんでもないでーす!そうと決まれば早速行きましょうか!」


「は、はい…」


俺は何故かテンションの上がっている水瀬さんに案内されつつ女性物の服やアクセサリー等が売っている店に来た。


「…これは男の俺が入っていいものなのか?」


経験ある人なら分かると思うがこういうお店には女性しかいない。

そんな中に気負いもせず入れる勇者はいないだろう。

しかも…だ。


「なんで店先に下着が売ってんだよ…!」


そうなのだ。まるで『入れるものなら入ってみな…坊や?』と言っているように立ち塞がる門番下着


何なのだろうか?普通店奥に並んでいるものが外にある。

しかもそれを平然と選んでいる女性もいるし…う〜ん…。


と、考えていると…


「和泉さん?何見てるんですか…って、あの、その…下着までは選んで頂かなくても…でも、どうしてもって言うなら…」


「やめて!そういう訳じゃないから!…あ」


俺は咄嗟のことでついつい素で答えてしまった。

しかしそれを聞いた水瀬さんは…


「あはは!冗談ですよ、冗談!少し入りずらいかも知れませんが中は普通なので大丈夫です。それに、私と一緒に居れば怪しまれませんから」


と、本人は気にして無いようでそう言ってきた。


「そ、そうですね…一緒にいれば大丈夫ですよね」


「はい。それと…無理して敬語は使わなくてもいいですよ?それに私歳下なので普通に話してください」


「でも…」


「むしろ、一緒に遊んだりご飯を食べたりする仲なのに敬語を使う方がおかしいんです」


「それは確かに…」


「なので…さぁ、普通に話して下さい!」


と、催促するように言ってきたので少しどもりながらも…


「うっ…えっと…分かったよ水瀬さん」


と、言ったが水瀬さんは少し不満のようで


「う〜ん…水瀬さんは他人行儀なので名前で呼んで欲しいです」


と、言ってきた。


「え?」


「名前です、名前。花音って呼んでください」


そう言う水瀬さんは目を輝かせながら言うので俺は…


「……花音」


と、間が空いたがそう呼んだ。


「…っ!良いですね!これからはそれでお願いします」


と、笑顔で言う花音だが流石にやられっぱなしは性にあわない。なので俺はカウンターをキメた。


「それならそっちも名前で呼んでくれて良いんだぞ?この前呼んでくれたのに最近は『和泉さん』に戻ってるし」


「うっ…お気づきでしたか」


「まぁな。…さぁ、どうぞ?」


「うぅ…ま、真琴…さん」


と、花音は恥ずかしそうに俯きそう言った。

しかし…まだ甘い。


「真琴?」


「…ごめんなさい謝りますのでさん付けだけは許して下さい」


そう言い顔を真っ赤にしている花音を見られたので俺は満足した。


「ははっ!冗談だよ冗談」


「うぅ…!真琴さんは意地悪です!」


「ははっ!ごめんごめん。それと花音も敬語じゃなくて良いんだぞ?別に俺は気にしないからさ」


と、俺は言った。


「それは…もう少し時間を下さい。今すぐは私の心臓が持ちません」


「えぇ…」


「ただでさえこの短時間で色々とあったのに…多分私のこの後死ぬんでしょうか?」


「服屋でどうやって死ぬんだよ…」


「…ふふっ。うん、こっちの真琴さんの方が話しやすいですね」


「…そうか?」


「はい。実は清水さんとお話してるのを見ていて少し羨ましかったんですよ。2人とも楽しそうに話すのに私には敬語…ちょっと妬けちゃいました」


「あはは…まぁ、清水とは仲が良いからな。っと、あんまり店前で長話するのはダメだよな」


「ですね。さて、行きましょうか…真琴さん?」


そう言い俺の背中を軽く押しながら店に突撃させようとする花音に俺は…


「…俺からあんまり離れるなよ?」


と、言った。だって、花音が近くに居ないと来ちゃうもん、警察が。


「…っ!もう一度お願いします」


「え?」


「今の台詞をもう一度お願いします」


「えっと…俺からあんまり離れるなよ?」


「…はい!離れません!さぁ、テンションが上がってきましたよ〜♪」


「えぇ…どゆこと?」


そんな感じで俺はお店に突撃したのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


皆様!おはこんばんにちは!

青の空です!


ちょっと仲が進んだ2人ですね!


まぁ、それはそれとして…更新遅れて申し訳ないです。

あのですね、ちらっと名前を使ったんですが分かる人には分かる『邪智暴虐ゲネイオン』


もし知らない方が居れば是非見て欲しいのですがVTuberに『剣持刀也けんもちもうや』という人が居るのですがそれがめちゃくちゃ面白いんです。


まぁ、これが更新が遅れた理由になるほですが、昨日YouTubeを見ていたらオススメに出てきまして見始めたら止まらなくなってしまったんです。


https://wikiwiki.jp/nijisanji/剣持刀也

↑知らない方はこれを見て下さい!


はい!話は変わりますがまた嬉しいことに☆が増えておりました!

☆をくれた…


@keiーyuko さん

クロロロ さん

@PIECE024 さん


本当にありがとうございます!!!

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