第27話はい、あ〜ん(イケボ)
グツグツグツ…
「あ〜…そろそろ時間になったよな?」
俺はお粥が温まるまで梅から種を取り包丁で軽く刻んで待っていた。
「これを、ちょっと大きめのお茶碗に入れて…上に刻んだ梅を乗せれば…完成!梅干し粥!」
…ネーミングセンスは無いのだよ。
俺はその出来たものを水瀬さんが待つ寝室へと運んだ。
コンコンコン…
「入りますよ〜」
と、俺が中に入ると…
もぐもぐもぐ…ごくん…
「ふぅ…美味しかった〜」
と、買ってきたゼリーを平らげている水瀬さんが居た。
「ははっ!食欲があって何よりです」
と、俺が声をかけると『ギギギ…』と油が切れた機械のように顔をこちらに向けた。
「え、えとえとえと…こ、これは!違うんです!!!」
お、おおぅ…。
「そ、その心は…?」
「気づいたら…食べちゃってたんです…」
「あ〜…ありますよね!そういう時!」
((いや、無いな…))
俺はこれ以上触れてはいけないと思いとりあえず、水瀬さんが横になっているベットの近くに来た。
「まぁ、とりあえずお粥も用意したんで食べて下さい」
「ゔ…た、食べなきゃ…ダメですか?」
「えぇ!ダメです」
「うぅ〜…」
水瀬さんが駄々をこねるので俺はスプーンに梅とお粥を乗せ…必殺!
「はい、あ〜ん(イケボ)」
「………」
「………」
圧倒的無言!
「すぅ…はい。すみません…」
俺はスプーンを引っ込めようとした時…
『パクッ!』
と、水瀬さんが食べた。
「え…」
もぐもぐ…ごくん…
「美味しいです!」
と、水瀬さんはふやけた笑顔を俺に向けてきた。
俺がその笑顔を見て少し固まっていると…
「和泉さん!もっと下さい!」
「え、あ、はい…」
俺は美味しそうに食べる水瀬さんにお粥を差し出すのであった。
「ふぅ〜…完全復活です!」
「はい、安静にしてましょうね〜…」
「あぅ…もう平気ですよ〜」
「ダメです。今日は安静にしてて下さい」
「…はい」
そして、少し沈黙が続いた頃…水瀬さんが小さく笑った。
「ふふっ…」
「どうしました?」
「…少し懐かしくなってしまって」
「懐かしい?」
「はい…小さい頃こうしておばあちゃんに見てもらったなぁ…って」
「…そうなんですね」
水瀬さんのこの言い方だと…おばあちゃんは…
「この前なんて熊と戦ってたってお母さんから連絡来た時は本当にびっくりしましたよ〜あはは!」
はい!めっちゃ元気!有り余ってるね!てか、熊と戦うなんて金太郎かよ!
「あ、あはは…そうなんですね」
「はい!自慢のおばあちゃんです!」
俺はそれを聞いて思う。
「じゃあ、おばあちゃんの為にも元気で居ないとですね」
「うっ…」
「全く…水瀬さん?」
「は、はい…」
「無理しないで下さい」
「え?」
「俺は貴方の笑顔に…その元気さに助けられてます。いつも笑顔で…周りを引きつける魅力があるのに。それを自分で殺すなんてしちゃダメです」
「…はい」
俺はゆっくりと水瀬さんの頭に手を乗せ撫でた。
「そして、元気になったら…またご飯を一緒に食べましょう」
俺がそう言うと水瀬さんはキョトンとした目でこちらを見たあと…花が咲くように笑った。
「はい!お礼も兼ねて美味しい料理を振る舞いますね!」
「はい。楽しみにしてますね?」
「おまかせください!」
そうして俺と水瀬さんは笑い合うのだった。
その後の話をしよう。
水瀬さんは驚異的な回復力を見せ1日で完全復活を遂げた。
そして…
「私、ダイエットやめます!やっぱりご飯を食べないと元気が出ませんからね!」
「そ、そうですか…それにしても…」
俺の目の前には大量の料理が並んでいた。
炒飯、ピザ、肉じゃが、鮭のムニエル、パエリア、ロールキャベツ…etc…
「ふふっ…これはお礼ですから存分に食べて下さい!まだまだ作りますから!」
「あ、あはは…」
俺は少し元気が出過ぎなんじゃないかな〜っと思いながらも、箸を片手に持ち…
そして次の舞台は…海になる。
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皆様!おはこんばんにちは!
青の空です!
今回は少し短めですが…うん。気にしないでください!
さて、今回は水瀬さんの看病と、言う事でしたが…無理なダイエットは危険ですので皆様もお気をつけ下さいね!
さて、今回も☆をつけてくれた方が居ましたので紹介させていただきます!
@zwarashi さん
そして、コメントをつけて☆をくれた…
@shikimori さん
本当にありがとうございます!!!
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