神と王
ある国のある広場で、宣教師が教えを説いていた。
「皆さん、神を信じるのです。皆さんの上に立って支配している王様のことなどに従う必要はないのです。ただ神を信じてさえいれば皆さんは天国に行くことが出来ます。だから皆さん、神を信じましょう」
ここ王政の国で、王が人々を支配していた。
宣教師の話を聞いて、1人の国の住民が宣教師に質問した。
「なあ、宣教師さんよ。神とやらを信じれば天国に行けるのは分かったんだが、信じなかったらどうなるんだ?」
宣教師は優しい顔で答える。
「そうですね、神を信じなかった場合は残念ですが救われず、天国に行くことが出来ません」
「信じてないと救ってくれないのか?神って奴は随分と心が狭いんだな」
それを聞いて、宣教師の顔が強張った。
「確かに、信じてないと救ってくれないのは冷たいと思うかもしれません。しかし、あなたはこのまま王の言いなりでいいのですか?神は信じてさえいれば救ってくれるのですよ」
「確かに王様は偉そうにしているが、兵隊たちで国を守ってくれる。生きているうちに何もしてくれない奴よりはましさ」
「それは…」
最後に住民は言った。
「それに、信じていないと救ってくれないのなら、神って奴も王様と対して変わらないじゃないか」
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