第10話

放課後。予想はしていたが、俺は下駄箱のところで、

同学年のイケメン軍団に、胸ぐらを掴まれていた。


「なんで、お前が林ユーコと恋人繋ぎしてんだよ!?」

「おかしいだろ...!何故、陰キャのお前が、

美女ギャルと付き合えるんだよ...??」


「急に金持ちになったとかか?お前ん家、

兄弟が多くてジャージも買えなくて

お下がりなのに...?何が起きた?」


親が金持ちなイケメンに凄まれ、

俺は、困り果てた。


「相変わらずの貧乏な母子家庭だよ。

母さんは夜勤をやりまくって何とか3人兄弟を

支えてる...」


「だよな。貧乏なのに、なんで、

付き合えてるんだか、疑問だから尋ねているんだ」


ワイシャツの襟ぐりを掴まれて。

俺の両足は少し宙に浮いてた。


まさか、屋上で助けたから、なんて

言ったところでどうにもならないなと

思っていたら。


林ユーコが、階段から駆け下りてきて。

ちょうど俺が苦しんでいるところに、現れてくれて。


「ちょ、私の彼氏に何してんだよ!?

どっか行けバーカ!!」と

一喝してくれた。


イケメン軍団の中で一番の男前が



「.....っ!なんでお前、こんな奴と付き合うよ??」言えば、


「うっさい!あんた達には関係のないことよ!」はこう言い返し。


「あー、もう行こうぜ...」


「どーせ、長続きしないだろ?フリーになったら、また声かけるわ。

俺の方がいい男だし」


と捨て台詞を吐いていなくなってくれた。



「勝手に言ってろ、バーカ!」


俺の足は無事に地面についた。



「大丈夫?」


「あ、ああ...」




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