第8話
自分のお弁当をまだ食べなくて正解だった。
「これ、よかったらだけど...」
俺は朝作ったタマゴサンドとかハムとサラダ菜とチーズのサンドウィッチとかを彼女に半分渡した。
「え...」
「よかったら食べてよ...」
「いいの!?」
「あ、うん。
母さんが作った訳じゃなくて俺が作ったやつだから味の保証はしないけどね...」
「凄...男なのに、料理するとか...!
尊敬するな、、、」
林ユーコは俺の隣に座り込み、俺が
差し出したサンドウィッチを大人しく受け取ってくれた。
「まぁ、やらざるを得ないってゆーか。
母さんは看護師で昨日から夜勤でいないし...」
「そうなんだ...」
林ユーコは、残さず食べ、
不思議なことに、めちゃくちゃ感動してた。
「やだー、マジ、美味しいんだけど!」
林ユーコは両ほっぺを手で押さえていた。
「そんなに感激するもん?」
「私ね、いつもコンビニのパンとか、スーパーのお惣菜のパンを食べてるからさ!
母親は料理しない人でさ!
こんな美味しいもの、食べたことないや...!」
随分なベタ褒めだった。
ま、まぁ、俺的に褒められて悪い気はしなかった。
二人して昼ご飯を食べ終わり、
やがて教室に戻る時間がきた。
林ユーコが先に立ち上がり、俺に右手を開いた状態で俺の顔の前に伸ばしてきた。
「ほら、行こ!」
「え...」
「カレカノになったんだから、
手を繋ぎたいの!!」
「い、いきなし!?」
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