第6話


「やっぱり飛び降りるのもうちょっと待ってみる」


「え?」


「なんか、嬉しかったから。

笑顔、可愛いって言ってくれてさ」


「いや、そんなのさ、林さんなら言われ慣れているよね?別段どうこう心に響かないでしょ?」


「ううん、嬉しかった!」


「ま、いいや、取り敢えず、

自殺を思い止まってくれてよかったよ...」


「あのさ」


「ん?」


「あんたの彼女になってあげよっか?」


「え、か、彼女!?」


「うん。一回だけとも思ったけどさ。

それって私の初めてだったりするわけよ」


「ええ!?経験豊富なんじゃなかったの!?」


「バカね。真実はさー、噂が一人歩きしてしまっただけなのよ。本当は私、処女なの...」


そう言って頬を赤らめてみせた彼女は

思っていたビッチギャルとは違う。


外見はど派手だけど、

ウブな女子高生そのものだった。






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