朗読BAR物語
睦月椋
第1話爽快な朝を迎える朗読BAR
「ああ、今日も疲れたなあ…。明日は休みだし、一人飲みでもするか?」
夜遅くに、仕事が終わり、飯より酒が恋しくなった俺は繁華街の路地を曲がる。すると何やら怪しげで、興味を惹かれる看板があった。
「語り部・朗読BAR? 変わった名前のバーだな。どう言う店だ? ただのBARなのか? それとも……」
少しその名前に違和感と興味深さを感じ……。
「いっちょ行ってみるか!」足はそのBARへと向いていた。
カウベルを鳴らし店内に入った。
中は意外広く、賑わいを見せ、軽快な音楽が鳴り響く。
そして薄暗い店内にバーテンダーの声が響く。
「いらっしゃいませ。お客様は当店初めてですね?」
「あっ、ああ、そうだが……ここはBARなのかい?」
「ええ、ここは語り部・朗読BARと行って、朗読や不思議なお話や音を楽しむバーです!」
「朗読や不思議話!? 今時珍しくないか?」
「ええ、流行りはしないですけど、廃れもしません。聞けば、今宵はいい夢が見れますよ!」
「そっそうなの?」
「ええ、結構お客様に評判ですよ!」
何だか怪しい感じがしたが、そのバーテンの言葉に少し興味が湧いた。
「お客様もいかがです?まだ少しですが、空きはありますよ?」
「あっ、ああ、ありがとう」
「では、奥の席、朗読席へどうぞ!」
ものは試しってことで、バーテンの指示に従った。
何やら本を片手に一人の女性が現れた。数名の客が並ぶ席の前にたち、その女性は会釈をして、語り部と言って物語を話し始めた。
酒が回って来たのか、それともその朗読が心地いいのか、急に眠気に襲われる。どうしようもない眠気にバーテンに会計を指示しようとしたら………。
気づけば朝……。自宅のベッドの上でぐっすり眠っていたようだった。
妙にすっきりとしていて、昨日の疲れなど何処へやら。
昨日どうやってBARから戻ったかなど覚えていなかったが、この心地よさはとてもいいと思い、今日も出先の帰りにあの語り部・朗読BARに寄ることに決めた。
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