魔力バカのチート能力者

夏凪碧

第1話 転生

 僕は添田 愁そえだ しゅう16歳。学生で趣味として動画を投稿している。のだが…


「ああああああああぁぁぁ!!!」


「今日も編集、明日も編集、明後日も明明後日も…」


 絶賛発狂中である。


「ああああぁぁぁ!!!」


 ふと、机に置かれていた時計に目を向ける『AM5:10』と表記されていた。


(え、マジ!?)


 死ぬかほど眠いがまだ今日の分の編集が終わってないので寝ることは出来ない。

 完全に徹夜コースである。

 幸いなことに今日が土曜日であったことを喜ぶとしよう。

 次の瞬間視界がだんだん歪んでいき…


(あ、これはヤバいやつだ)


 僕は睡魔との戦いに負け床に倒れるのであった。


           ◇◆◇


 次に目を開けると何とも仰々しい扉があった。


(え?どういうこと?僕もしかして死んだ?)


 だって、目の前に現れたこの扉はどこからどう見てもアニメやラノベの主人公が転生したりする時に出てくるやつだった。

 とりあえず、開けてみることにする。


(もしかしたら夢かもしれないし…)


 そうだ今僕は疲れから来る睡魔に負けて寝ているんだ。うん、きっとそうだ。でもそうだとしたらこんな痛々しい夢早く覚めて欲しい…


 扉の先に現れたのはやけに背もたれの長い椅子に座ってるいる女性だった。


(この人が女神様って設定なんでしょ。わかるわかる。)


 たしか、最近読んだラノベの女神様もこんなんだったな。だとしたらこれは僕の夢の世界であって現実ではないということである。


「添田 愁さん。」


 突然女神(推定)が話しかけてきた。


「はい。なんでしょうか?」


「あなたにはこれから別の世界に転生して頂いて、その世界を支配しようとしている魔王を倒し、世界を救ってもらいます。」


(うんうん。そんで転生みたいなのしたら目が覚めて朝でした。「編集どうしよう!」ってなるんでしょ。)


 そうなことを考えていると僕の足元に魔法陣のようなものが広がっていた。


「最後に貴方には1つ能力をさずけます。その内容は様々ですがきっと役に立つと思います。」


「それでは、頑張って下さい。」

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