偽RQ

 おかしい。なにかがおかしい。かいたてものなにわからないが、さっきからいっこう景色けしきわっていないがする。たようなたかいビルぐんならんでいるからそうえるだけなんだろうか。

 ペダルをあしちからはいる。まだか。まだか。まだか。このほうもないコンクリートジャングルをけるのはいつだろうか。このままいつまでもけられずに、こんなまちめられるのだろうか。

 ――なぜ、はしっているんだっけ?

 ふとそのもんよぎった。なぜもくてきもなく、こんなところに? ここはどこだ? てんしゃぐのをやめて、じょうほうかくにんすればいい。それはかっているのに、あしまらない。ひとつひとつのたてものつめていられないくらいのスピードですすんでいく。なぜ? なぜ? なぜ? のどかわいた。


「ビスケットはいかが?」


 なんだ?

 ふうあつえながらこえのしたほうると、そこに“っている”ひとがいた。⋯⋯いや、ひとなのか? にじむようなあか。それがかいんできて、つぎしゅんかん、こちらをわらった。


「どちらがじつぞう? どちらがきょぞう? こちらとあちらでまえぎゃくき? ――ざんねんだけど、ここにかがみはないよ。」


 ⋯⋯なにっているんだ?

 かおつかめないが、りんかくればたしかにそこにいる。らせばらすほど、そのあかにじみぼやけていく。


いぬからほねいたら? あなたは女王クイーンになるだけのかくはある?」


 くちひらこうにもひらけない。あしまらない。なんだ、なにこっている?

 まえあかそんざいなにものだ?


「ここにははんそくがいくつもあるの。ぶんだれだかおぼえてる?」


 からない。徐々じょじょに、まえの、


「どちらもゆめだなんてごうがよすぎる。しょせんまがものなのだから。」


 なにを、


「あなたはやっのマスにはけないのです。おうかんかぶれない。わたし赤の女王レッド・クイーンではない。」


 が


まるために、ぜんりょくはしらねば。」







































 めると、そこはびょうしつだった。

 やってきたうにはこうだ。バイクでこくどうはしっていたときに、まえのトラックのとしたもつかずおうてんしきめいのままはんそうされたのがみっまえのことだった。それからなんとかきゅうめいほどこし、びるかどうか、しきもどるかどうかはけであった、と。

 なんだかぶんだった。あのゆめは、いったいなんだったのか? あれはほんとうゆめだったのか? あかそんざいがこちらをているがして、ふとあたりをわたす。なにもないとほっとするが、あれがただのゆめだったとはおもいがたい。げんわたしは、あれからたいようておらず、そらまんべんなくあかるいままなのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る