勇者の亡骸

 ながねんこのしろけいをしてきたが、しろなかるのははじめてである。ましてや、おううなど――。

わたしはしがないへいなのに、あんないまでつけていただけるとは。おうさまなんこころひろいおかた。」

 わたしみちあんないしている従僕フットマンがあまりにひょうじょうくちだったのでこころにもないことをったのだが、

ざんねんなことにへいFさまわたしおうさまからもうけられたのは、あんないではなくかんなのです。かっこうどうられては、こまりますから。」

 ひょうじょうひとつえずにかえした。

 めいのようなおうきゅうあるいている。


へいよ。」

「はっ。」

 ――ぎょくまえへいけいなことをくちにしてはいけない。さいていげんへんをするだけだ。そしてそのこたえは、なにがあろうと肯定イエス

せんげつゆうしゃ“ゆうくん”がおうしろへとかったのをおぼえているな?」

「はっ。」

 そう、あれはせんげつのこと。もとめいせいねんとつじょこのくにあらわれたのだ。このくにではしょうにんしょうにんのうみんのうみんへいへいなのだが、せいねんおやもなく、みずからをゆうしゃったのだ。“ゆうくん”といういたこともないまえ外国人よそものだろうか。

ゆうしゃたびってから、すいしょうとおしてのれんらくいっこうにないのじゃ。――おそらく、どうちゅうてきにやられたのだろう⋯⋯。かれゆうかんだった。せめてじょうないとむらわねばなるまい。かれなきがらかいしゅうしにけ。」

「はっ。」

 たいひろいか。じょうだんじゃない。




 ほんらいこのくにかのかべそとると、スライムというきょうあくものかっする地獄絵図ディストピアひろがるのみなのだが、ゆうしゃとおったみちでスライムにうことはなかった。

 あのスライムをたおしたというのか。このくにへいほんてきしろおよくにぜんたいけいをするのがもくてきなので、スライムとかくたたかえるだけのせんとうりょくひつようとしない。とくすうねんまえうでしんのある一人ひとりへいかべそとたところ、二日ふつかにはほねになってしまったということすらきたのだ。

 それをいったいだけでなく、このみちのスライムすべてをたおしたというのだから、ゆうしゃげんつよさをっていることになる。




 ながみちく。へいげんもりぬまけいし、ゆきやますすんでいた。するとなにやらこうにひかりが。

へいさん?」

 ゆうしゃをしていた。

「ゆ、ゆうしゃさま、ごだったのですね。」

「あぁ、れんらくようすいしょうはワイバーンをたおときひつようになって使つかっちゃったんだ――ワイバーンってのは、ぬまのボスね。」

 もうかれなにっているのか、わたしにはかいができなかった。

 ワイバーンはオードドきょうじゃしんとしておそれられているそんざいであり、すうげついちくにのはるかじょうくうとおぎていくのだが、そのときすらじゅうみんはみないえこもるほどで、ワイバーンのつうをいちはやらせるためのへいさえいる。

「あのワイバーンを⋯⋯たった一人ひとりで⋯⋯?」

「なかなかつよかったよ。でも、いいアイテムをとしてくれた。せてあげよう、これが“えんてんつるぎ”だよ。」

 そううとゆうしゃわたしたいけんを持たせた。

「ワイバーンのおかげで、ギリギリだったさいうるおったよ。ドロップしたたからばこから50000Gゴールドも出てきた。」

 50000Gゴールドうと、執事バトラーきでおおきめのしろえるくらいだ。

「しかし、いくらゆうしゃさまがおつよいとはいえ、ここまでそんなけいそうで――」

「いや、よろい便べんだからいでるだけだよ。」

「それじゃ、いまおそわれたりしたら――」

「それはだいじょう。このへんはセーブポイントだから、てきかないようになってるんだ。すここうにくとスノーゴーレムなんかがいるから、よろいしで行ったらすぐにぬのはえてるからね。」

 ――そうか。いくらつよいとはいえ、ゆうしゃ一人ひとりにんげんぎない。

 そうおもったしゅんかんわたしにあったたいけんは、ゆうしゃしんぞうつらぬいていた。

わすれてたよ。おういつけられたのは、たいひろいだった。」




とつじょはっせいしたエラーにより、データがえてしまいました。タイトルめんもどります。】

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