トライポフォビア

亞屍(あかばね)

幽霊の話

 にんげんは、わいしょうおのまもるべく、やみおそれた。えないということは、かれらにとってはきょうがいなにものでもあるまい。それゆえやみしたものを人間ひとつくした。かたちにしたのだ。それはかくおにあくようかいなどとばれ、そのひとつにゆうれいがある。

 ところで、イギリスにはおおくのしんれいスポットがあるというのをっているだろうか? エディンバラじょうやロンドンとうなど、調しらべればやまのようにてくる。ポルターガイストということもと辿たどればドイツだが、テッドワースやエンフィールドのれいにあるとおり、ポルターガイストげんしょうはイギリスこくないはつしている。

 がくてきではない、とていするものおおいだろう。しかしどうだろうか。我々われわれしんずる科学サイエンスというかみは、我々われわれすべてをあたえていない。がくてきというさんしんばんしょうせつめいけられないのがげんじょうである。そもそもがくというものたいかみそんざいしょうめいれんきんじゅつのような所謂いわゆるがくてきこうからうまれたものなのだ。

 かりに、にんげんがおいたていそんざい――すなわゆうれいが、ほんとうそんざいしたとする。そのとき我々われわれはどうすべきだろうか。とつぜんおそいかかってくるようなそんざいであれば、まもたいしょをせねばなるまい。ゆうれいにはなにくのか。なかにしかあらわれないというイメージからちょっかんてきにはひかりびせたくなるが、あんがいネコどうぶつどうよう木天蓼またたびでやりごせるかもしれない。あるいはありのように、せいペンのうえとおれないかもしれない。もしそうなら、かくていじょれいしょうしていえやすものせいペンでかこうのだからこっけいこのうえない。

 にんげんゆうこうてきそんざいであったとしても、だんはできない。ゆうれいのうっていたらどうする? せいがマニュアルをさくせいして、それがてきようされるのだろうか。ゆうれいがわから貿ぼうえきけられるかもしれない。えないかれらから、えないのエネルギーでもりつけられるんだろうか。それならせんもん貿ぼうえきしょうるから、ゆうれいつうれるものなかからそれをせんばつするひつようがある。

 さきほどからゆうれいゆうれいっているが、かれらはそもそもなにものなのだろうか。えないということは、ひかりはんしゃしていないということである。かげとすゆうれいはいなくもないから、ゆうれいたいないつうしたひかりわずかにくっせつしているのだろう。おそらくたいによってそのくっせつりつことなり、くっせつりつが1にちかゆうれいやっかいだ。えないと流石さすがこまるのでペンキでもってもらいたいが、たしてそれをゆうれいサイドがみとめるかいなか。しょくとうめいタイプのゆうれいにとっていろられることがどのくらいくつじょくてきなのかというのが我々われわれにはからないので、とにかくへりくだってくしかない。

 ろんそれはゆうれいえないだけでじったいがあるというぜんていはなしだが、もしかするとでんほうしゃせんといったものかもしれない。そういったあいは、なにてきとうけいそくにんげんがわあるかなければならず、じょうめんどうだ。

 そういえば、わたしいちゆうれいたことがあるのだが、あれはいつだったろうか。おさなころだったのでおくあいまいだが、そうしきなにかにったときだったとおもう。かいらしのわたしんだそらしげくさにひどくこころたれ、いしめられたちゅうしゃじょうにいた。そこはいまおもえばこわいくらいしずかで、ほんとうなんおともしなかった。しゃがんでありたいれつながめたりでもしていたのだろう、そこにとつぜんふるびたちょうつがいうごかすような、あるいはタイヤのこすれるような、みょうたかおとこえた。しかし、まわりのどのくるまてもうごいていない。ちょくわたしなかつよばしたものがいた。わたしたおれまいとあわててじょうほういてのがれたのでだいにはいたらなかったが、あれはゆうれいわざとしかかんがえようもない。

 このように、あんがい我々われわれのすぐちかくにゆうれいというそんざいはあるのかもしれない。もしかれらが我々われわれせっしょくはかってきたあいしんおうじるべきではないだろうか。

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