KAC20214 【新】AI刑事《デカ》✨💕阿井《アイ》アイ✨😍💕✨おめでとうございます✨💕 アナタが【真犯人】に決定❗❗

オズ研究所 《《#横須賀ストーリー紅白

第1話 アナタに真犯人は決定❗❗

「おめでとうございます!!」

 いきなり美少女AI刑事デカ阿井アイアイは、容疑者の近内こんない ツカサに向かって挨拶をして微笑んだ。



 まるでステージに女神が降臨したみたいな満面のアイドルスマイルだ。




「ぬうゥ……、おめでとうッて、何がァ?」

 さすがに厚顔無恥な容疑者の近内こんない ツカサも、あ然として美少女刑事の阿井アイアイを睨みつけた。




 ここは『セレブ女性社長殺人事件』の容疑者 近内こんない 司宅の高級タワーマンションの一室だ。


 豪華な部屋だが亡くなった奥さんでセレブ社長の彩香の名義だ。



 オレたちは捜査令状もなしに勝手に容疑者宅へ訪れていた。



 美少女刑事の阿井アイアイは、オレの隣りで挨拶をし笑顔を振りまいている。



 阿井アイは強引に容疑者のリビングへ上がり込んでいた。

 言葉は丁寧だが厚かましい。



 ピンク色のツインテールをしていて、どう見ても刑事と言うよりアイドルみたいな美少女だ。


 アイドル風の丈の短いフリフリのフレアスカートを履いている。

 激しいダンスを踊ると半分以上、プリンプリンとした桃尻ヒップが見えそうだ。

 


 このままステージに上がってライブパフォーマンスをしても違和感のないコスプレをしている。



 むしろ容疑者の高級マンションのような一般家庭にいる方が妙な気分だ。



 ミニスカAI刑事デカと言ったトコロだろうか。




「なんだよ。いきなり部屋へやってきて、おめでとうッてェ……? 失敬なやつだな」

 容疑者の近内 司は怪訝な表情で眉をひそめ聞き返した。ふて腐れた表情だ。



 近内 司は元売れっ子ホストだと言うだけあってイケメンだが、どこか怪しく目つきが鋭い。


 学生時代ならば間違いなくだろう。オレが最も嫌いなタイプだ。



 容疑者はホスト時代、セレブ女性社長の彩香と結婚し、逆玉の輿に乗ったとして当時、マスコミも大いに騒いだ。



 しかし半年も経たず、その彩香が何者かに刺殺されてしまった。

 当然、元ホストで夫の近内こんない司が容疑者として浮上した。



 しかし捜査は思った以上に難航している。

 容疑者の近内 司には鉄壁のアリバイがあったのだ。



 美少女刑事はオレの心配など、どこ吹く風だ。まるで新曲のタイトルでも発表するかのように、軽やかなステップを踏んだ。



「アナタが、!!」

 阿井アイアイは満面の笑顔で近内を指差した。

 クルクルとダンスを舞うように華麗な振り付きだ。



「な、何ィーー!!」

 すぐさま容疑者の近内 司がモノ凄い形相で阿井アイアイを睨んだ。



「さァ、アキラ!! 彼を捕まえて差し上げなさい!!」

 阿井アイアイは顎で俺に命令をした。



「誰がアキラだ! 呼び捨てにするなよ!!

 どう見てもお前よりもオレの方が歳上だろう!!」

 オレも25歳だ。美少女アイドルの阿井アイアイよりもかなり歳上のはずだ。



「ええ、もちろんよ。アキラより十歳近く年下ですから!!」

 彼女はニコニコと笑みを浮かべ頷いた。

 まったく悪怯ワルびれた様子は見えない。



「あのなァ、だったらアキラさんだろう。

 年長者のオレのことはアキラさんッて、呼べよ!!」

 まったくふざけやがって。生意気な美少女アイドルだ。


 男子だったら間違いなくボコボコにしてるトコロだろう。だがキュートな美少女を殴る趣味は持ち合わせていない。

 


「フフ……」今も彼女は微笑んでいる。

 阿井アイこいつは完全にオレをバカにしているようだ。






 ◇◇◇◇◇






 オレはワケ有って、このほど警視庁に特設されたAI課サイバー犯罪対策室へ配属された。



 名前は、大河タイガ アキラ



 そしてオレとパートナーを組む事になったのが、このアイドルのような美少女、AI刑事デカ、通称 アイアイだ。




 名前は、阿井アイアイ。

 ジョークのような名前だが本名らしい。


 見た目は、まるでJKアイドルのように可愛らしい。実際、地下アイドル『エッチし隊』のセンターを任されていると聞く。




 そんなオレたちは容疑者の近内 司の捜査に当たっていた。



 近内司は元売れっ子ホストでセレブ美女の彩香と熱烈に恋に落ち、交際してすぐに電撃結婚した。

 現在は彼女の会社の副社長に収まっていた。だが彼は根っからのジゴロらしい。



 最近では美女と見れば片っ端からクドいてラブホへ誘っていると聞く。


 いわゆるゲス野郎だ。

 

 


「これから私は『卒業ライブ』があるので容疑者を、とっとと逮捕しちゃって!!」

 阿井アイアイは、時間を気にするように、オレの腕時計を見ていた。



「いやいや……、無茶クチャ言うな!!

 証拠もなしにオレを逮捕する気か!!」

 容疑者の近内 司も呆れ果てた様子だ。



 当然だろう。どんなに疑わしくても証拠もなしに逮捕など出来ない。



 近内 司には妻、彩香殺害の容疑が掛けられていた。結婚当初は大人しかった彼だが、3ヶ月もしないウチに本性を現わした。


 妻の他にも何人かと肉体関係があった。

 特に工藤エリカと言う美人女子大生とは深い関係だ。

 

 歳上のセレブ美人妻、彩香が邪魔になっていたようだ。

 幾度となく愛人と不倫をし、最近では夫婦喧嘩もしょっちゅうみたいだ。

 


 しかも事件後、妻名義で高額な保険にも加入している事が判明した。

 セレブ妻が死ねば、遺産もたんまり入る。



 殺害の動機としては充分だろう。



 当然、捜査本部も彼の犯行としてマークしていた。



 しかし彼には『鉄壁のアリバイ』があった。



 彼は妻が殺害された時刻、部下たちと会議をしていたのだ。

 確かに殺害現場から彼の会社とは直線距離で百メートルと離れてはいない。



 犯行現場は人が、ようやく一人が通れるだけの細い路地だった。奥は行き止まりになっている。つまり袋小路だ。


 時間は昼間の2時を少し回ったくらいだった。



 白昼堂々と事件は起こったのだ。



『キャァァァーー……!!』突然、路地から女性の悲鳴が轟いた。



 被害者の彩香が絶叫を上げたのだ。

 とっさに通行人たちが小さな路地へ駆けつけると彩香は胸をナイフで刺され倒れていた。



 悲鳴を聞きつけ通行人が駆けつけた間は、ごく僅かだったにも関わらず、刺した犯人は消えてしまった。



 もちろん通行人たちは逃げていく犯人の姿を見ていない。奥は壁になっている。

 当然だが壁を飛び越える事など出来ない。



 逃げ出すことはだ。



 もちろん通行人が犯人で、第一発見者を偽装したワケではない。


 どちらがナイフを刺したとしても返り血を浴びずに犯行を行うことは不可能だ。

 彼らが実行犯でないことは確かだろう。



 完全に袋小路からしてしまった。



 その間、容疑者の近内 司は会社内にいて会議中だった。



 そのことは、すでに証明されている。

 何度も確認済みだ。複数の社員からも証言が取れていた。

 防犯カメラにもカレが会社を抜け出した痕跡は見当たらない。



 なので、容疑者の近内 司も強気だ。


「確かに、オレと彩香は離婚の事で揉めていた」

 語気を強めてアピールした。



「ハイ、それで凶器ナイフでズブッて殺しちゃったんですねぇ!!」

 美少女アイドルの阿井アイアイはニコニコと笑顔で物騒な事を言った。



「うゥ……」なにを言ってるんだろう。こいつは。まったく証拠もなしに。

 オレは隣りでハラハラしっぱなしだ。


 何を根拠に、そこまでは強気になれるのか、意味がわからない。



「殺してねぇよ!! オレは彩香が殺された時間、部下たちと会社で会議をしてたんだ」

 すぐに近内司も反論した。



「あァ……、構いませんわ!!

 アリバイが有っても!

 そう言うの阿井アイアイは気にしませんから!」

 


「な、気にしろよ!! おい、そこのヤンキー刑事さん!!

 このアイアイとか言うアイドルを連れて帰れ!」

 近内 司はオレを指差して命じた。


「ン……」

 確かにオレはヤンキーのような風貌をしている。


 こんなゲス野郎に命令されるのはシャクにさわるが、やむを得ない。



「チィ……」オレは、小さく舌打ちをした。

 まったく良い歳をして、この子のおりなのか。



「お嬢ちゃん!! さ、帰るぞ!」

 うんざりした顔で美少女の腕を取り連れて帰ろうとした。



「いえ、お嬢ちゃんではありません。

 私の名前は阿井アイアイです!!」

 無理やり腕を振りほどいた。



「知るか! どうでも良いから帰るぞ!!

 彼のアリバイは完璧なんだ。

 どう考えても彼には奥さんを殺害するのは無理なんだよ!」

 怪しいだけでは逮捕状の請求は無理だ。



 『疑わしきは罰せず』。

 法治国家では当たり前のことだ。



 どんなに疑わしくてもアリバイが崩せない限り、目の前の容疑者を逮捕することは出来ない。

 共犯がいれば別だが、今のトコロ証拠不十分だ。



「ふン、当たり前だろう!!」

 近内 司も強気の姿勢を崩さない。

 よほど自信があるのだろう。



「あら、そんな『アリバイ崩し』なんて簡単ですわ」


「え、なんだとォ!! ふざけんな!」

 近内は、カッとして美少女刑事を睨んだ。


 

「いいえ、少しお利口さんなチンパンジーでも簡単に解けるトリックです」

 阿井アイも強気で言い返した。


「なんだよ……」チンパンジーッて。

 オレのことか。



「バカを言うなッ!!

 どうやってオレが彩香を刺し殺したって言うんだよ!!

 名誉毀損で訴えるぞ!!」

 近内 司は興奮して喧嘩腰だ。



 だが阿井アイは余裕で微笑みを浮かべた。

「アナタは部下と会議の最中、『ドローン』を使って、遠隔操縦でナイフを奥様の胸へと撃ち込んだンですから」



「な、何ィ!!」

 容疑者の近内司の顔色が変わった。



「ドローンだってェ!!」

 オレも聞き返した。



 確かにリモコンでドローンを使えば、遠隔操縦で奥さんの彩香を狙えるのかもしれない。だが凶器のナイフをどうすれば被害者の胸に撃ち込めるのだろう。



「ドローンに取り付けたボウガンを改造し、凶器ナイフを撃ち込めば良いンですから!!」

 ことも無げに言った。


「ボウガンを改造。なるほどドローンに取り付け、遠隔操縦でナイフを被害者の胸へ撃ち込んだのか」

 オレも納得して頷いた。

 何かの画像で見たことがある。



「ドローンは軍事用に進化していくモノですからね。

 そのうちドローンもボウガンも見つかるわ」

 阿井アイアイは微笑んだ。


「ぬゥ……」思わず近内司も顔を歪めた。



「もう一度、言って差し上げましょう!!

 アナタが!!」

 阿井アイアイは、まるで新曲発表会のように容疑者の顔の前で指差した。




「ぐゥッ」近内 ツカサは小さく呻いた。


「私は、これから『卒業ライブ』があるので帰るわ」



「なにィ、卒業ライブ」



「あとはアキラに任せたわね」

 パッチンとハイタッチし、オレにあとを任せて行った。


 逮捕には興味がないのか、阿井アイアイは、さっさと帰っていった。




「マ、マジか」

 オレは逃げようとする近内 司を逮捕した。






 なんともあっけない幕切れだ。










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