第12話 魔法×授業
私は九歳になった。
弟のペーターはまだ、ハイハイしている。
私はペーターの頭を撫でると、ペーターはキャッキャッ! と笑ってくれた。
何がそんなに面白いのかは、わからないが、喜んで貰えて光栄である。
私はふと、自分の腹筋を見た。
まだシックスパックは、出来てない。
フォーパックが、せいぜいである。
まだまだ、セクシーには程遠い年齢であるから、気長にやっていこうと思う。
本日は魔法使いの先生である、
キラの授業からだ。
私は部屋で待っていると、キラが扉から入って来た。もちろん監視の為に、執事付きである。
「おはようフィン! では早速、授業をはじめる。本日は魔法の、効果時間について、である」
私は紙にメモをとる。
「例えば、ファイアという呪文がある。火属性の魔法だな! これが敵に一秒しか与えられないのと、十秒も与えられるのでは、全くダメージ量が違う。ここまでは、大丈夫かな?」
「はい! 先生!」
「よろしい! では、その継続時間を、コントロールする方法は、わかるかな?」
私は考えた。実際に、魔法を放ってみた感触だと、セクシーポーズの維持時間にあるとの、仮設に至る。
「セクシーポーズの、維持時間でしょうか?」
キラは、拍手をしだす。
「素晴らしい! フィンよ! その通りだね。セクシーポーズの維持が、魔法放出量に、関わって来る。しかし、それだけだと芸がないのだよ」
「芸ですか?」
「そう! 例えばだけど、あるモンスターの頭にだけ、火の弱点があるとしよう。全身を燃やすのと、頭だけ燃やすのと、どちらが効果的だい?」
「やはり、頭だけでしょうか?」
キラは再び拍手をする。
「正解だよフィン!! これを、ピンポイント魔法という」
私は衝撃が走った!! 何故なら、ピンポイント魔法が使えたら、使い道のない、土魔法を、目に向かって放てば、目眩しになるからだ。
「先生! 土魔法も、頭だけに放つ事も、出来るんですか?」
「その通りだよ!」
私は魔法が如何に、偉大であるか、実感したのであった。
「先生! すぐに、そのやり方を、教えてください」
私は、前のめりになる。
すると、キラは、落ち着くよう促した。
「まぁ待ちたまえ! まずは、順序がある。
①魔法放出時間の延長を会得②魔法の強弱を調整できるようになる③ピンポイント魔法を、使えるようになる。
必ず段階を踏んでから、次のステップに進むように!」
「はい! 先生!」
「よし! ではまず私とフィンと執事を、訓練場に、転移させなさい」
私は言われた通り、自分を含めた三人を訓練場に転移させた。
すると、執事が泣き出した。
「フィン様! 何と立派な、魔法使いにおなり遊ばされて、私は誇らしいですぞ!! これで、ルミエール家も、安泰というものです」
この執事は、ジェイという名前で、私付きの執事である。アルファの、上司にあたる。
「ジェイ! まだまだ、こんなものではないぞ! 私は修行を重ねて、伝説の魔法使いに、なるのだからな!」
二人で盛り上がっていたら、キラは咳払いをした。
「盛り上がっている所悪いが、授業中である。続きをはじめるぞ!」
そう言うと、キラは、訓練場にある、カカシに向かって、魔法を唱えた。
「サンド〜」
キラは、ネクタイを外し、第一ボタンも外し、セクシーなポーズを決め続ける。
カカシは段々と、土に埋もれていく。
およそ三十秒はたった頃、魔法は終了した。
これは凄い。魔力の節約になるし、継続出来れば、ずっと砂地獄で、敵は足元に力が、入らなくなるからだ。
キラは、深呼吸をした。
魔法の効果時間を長くするには、神経を使うらしい。
「さぁ! フィンよ! やってみなさい」
私は、キラに言われるまま、魔法効果時間を長くするという意識を持ちつつ、魔法を放つ
「サンド〜」
魔法を唱えつつ、ネクタイを外し、第一、第二ボタンを外して、花を咥えながら、ウィンクをした。
しかし、やはり一秒しか出来ない。
そんな私に、キラは優しく言う。
「魔法の修行に、終わりはないのだよ! 毎日練習しなさい! さすれば、上達していくから! では後の時間は、自主練とする」
キラは、私の授業は終わりだと言って、背中を向けて、屋敷に歩いて帰っていった。
もちろん私は、このまま終われない...
私の新たな修行項目が、追加されたのであった。
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