第20話 裏
私は心地よさを感じていた感じがする。寝ていたから分からなかったけど、漠然とそう思っていた気がする。
ずっとこのままでいたい。
そう思ったけどそれはゆっくりと離れていっちゃった。待って、何で居なくなっちゃうの?ずっと私のそばにいてよぉ。
そうして私は目を覚ました。
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「んんっ………んむぅ?」
ぼんやりとした意識の中で、ゆっくりと目を開ける。そして目に写るのは葵の部屋の壁。私、葵に家にお泊まりしたんだぁ。葵はどこぉ?
頭が上手く回っていない状態で考える。昨日私、葵とギュッてしながら寝った。葵に正面からギュッてして貰った。
でも今は目の前に葵がいない。その事に気が付いて私はゆっくりと身体を起こす。そして、寝起きであまり開かない目で部屋を見渡した。
葵を見つけれるようにゆっくり見渡したけど、葵は何処にもいなかった。ギュッとした時の温もりと葵が居なくなっちゃった。
「そぅ、どこぉ……」
小さくそう呟く。もしかしたら私から見えない位置に葵が隠れてるかもしれない。私は何ども呟いた。
「そぅ、どこぉ……どこなの……」
それでも葵は出てこなかった。その事実と探していた時の不安が襲ってきて涙が出てきた。葵、はやくきてよぉ。
「玲奈。」
「そぅ?そぅだぁ……はやくきて……」
ポンポン
葵の声が聞こえた。聞こえた方を見るとドアの近くに葵はいた。葵が見えた瞬間私に取り憑いていた不安がなくなっていく。
ドアの近くに立っている葵に早く来て貰いたくてベッドをポンポン叩いた。
ギュッ
「泣きそうになってどうしたんだ?」
「葵が居なくなって寂しかった……」
葵がベッドに戻ってきて私をギュッてしてくれた。してくれた途端に戻ってくる温もりと安心感。寂しさが埋まっていった。
「そっか……居なくなってごめんな。」
「うん……戻ってきて良かった。」
モゾモゾ
葵が居なくなったことを謝ってきた。なにも謝る必要なんてないのに。でも、戻ってきてくれたことが本当に嬉しくて頭をグリグリ押し付ける。
「もっかいねよ?」
「そうだな。まだ6時だし起きるのには早いな。」
安心した途端にまた眠気が襲ってきたのでもう一回葵と眠ることにした。葵が私を横にしてくれる。
「ぎゅ~。」
「俺はこうするかな……」
なでなで、なでなで
「えへぇ……安心すりゅ……」
私に続いて葵が横になったら、葵の背中に手を回してギュッてする。そうしたら、葵が私の頭を撫でてくれた。えへへぇ、きもちぃー。
「玲奈、お休み。」
「そぅも……おやすみぃ……すぅ。」
眠かった私は葵にお休みと言った後すぐに眠りに落ちていった。
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「んむっ……むぅ?」
葵と二度寝をした後、私はお昼頃に目を覚ました。もうこんな時間なんだぁ。葵といっぱい眠ることができた。
葵を見るとまだ寝ていた。丁度良いから葵で遊ぶことにした。抱きしめられてるから出来ることは限られてるけど。
フニフニ、フニフニ
「…………ぁぁ?」
葵のほっぺで遊んでいたら葵が起きちゃった。どうしよう。もう少しほっぺをいじるつもりだったのに。まぁいっか。
「葵、起きた?」
「…………ぁあ。おはよう。」
「もうこんにちはの時間だよ。」
おはようと言う時間でもないからこんにちはで返す。今日に限らず休日の葵はいつもお寝坊さんだ。
「結構寝てたんだな。玲奈はいつ起きたんだ?」
「私もさっき起きたの。それで葵のほっぺで遊んでたの。」
「そうか。」
葵にほっぺで遊んでいたことを伝えてもなにも反応しなかった。いつもなら止めろとか言うのに。別にいじっても大丈夫なのかな?
「このままだとあれだし、今日は何かしたいことあるか?」
「え?葵とギュッてすること?」
そんなことを考えてたら葵がそう言ってきた。私がしたいことなんて葵とギュッてすること以外ほぼないよ?
「それ以外にだよ。それは今日ずっとやるから大丈夫だ。」
「うーん……あ!1つだけあるよ。」
「そうか。ならそれを後からしようか。」
「うんっ。」
それ以外って言われたからちょっとだけ考えてみる。そしたら1つだけあったんだよね。これも葵としかできないから今日やって貰うことにきーめたっ。
なでなで、なでなで
「葵って、頭撫でるの好き?」
「うーん。好きと言うより丁度良い位置にあるから触りたくなってな。」
して貰うことを決めたら葵が頭を撫でてきた。今の私の位置は葵にとって撫でやすい位置らしい。でも、それって抱きしめてるからだと思うの。
「私も嬉しいからうぃんうぃんだね。」
「嬉しいのか?……まぁ玲奈がそれなら良いや。」
私は抱きしめられるのと頭を撫でられるのが嬉しい。葵は頭を撫でられる。やっぱりうぃんうぃんだよね。
キィ
「2人とも~、そろそろご飯……あら?」
「「……」」
頭を撫でられて気持ちいいって思ってきたところでおばさんが部屋に入ってきた。おばさんの目の前には起きたばっかりなのに抱きついて頭を撫でたり撫でられたりしている男女2人……
「か、母さん!?勝手に部屋に入ってこないでくれ!」
「えー、どうせ寝てるから良いと思ったんだけど……」
先に戻ったのは葵だった。おばさんに文句言ってるけどおばさんはどこ吹く風だ。その言い分でも、やっぱりノックは必要だと思うの。
葵は戻ったけど、私は戻れなかった。だって、おばさんに見られた。仲良く抱き付いているところも頭を撫でられてるところも見られちゃった……
かぁぁぁぁ
「ふしゅー……」
もう葵の所以外お嫁に行けないよぉ
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