第11話 裏2
……うう、気まずい、非常に気まずいよぉ。私が告白されて葵の所に戻った時、葵はとても不機嫌そうだった。理由は分かんないけど、もしかしたら私が告白されたから何てことを考えちゃう。
その後普通に帰ることになった。気まずかったんだけど手は握ってくれた。手を握ってくれた時はとても安心した。気まずいから握らないなんて普通にあり得る話だから。
その後は特に何も会話をしないでただ歩いてた。時々葵の顔を見てた。不機嫌な顔は新鮮だった。いつもはあんまり怒らないから。でも、不機嫌な時の葵もかっこいいなぁ。
そんなことを考えると周りが見慣れた光景になっていることに気付いた。家なんてすぐそこだ。
「あ……着いちゃったね。」
「……そうだな。」
もっと手を繋いでたかったなぁ。後話したかった。ちらりと葵の顔を見る。葵もこちらを見てた。何かいいたいことでもあるのかな?私は最後に葵を見たいだけなんだけどね。
しばらく葵と見つめ合ってたんだけど葵は何も言ってこなくて、私もいつまでも顔を見るわけにもいけない。ちょっとだけ後ろ髪を引かれるけど家に入らなくちゃ。
「じゃ、じゃあね。また明日一緒に学校行こうね?」
ちょっと変な感じになっちゃった。でもそのまま家の玄関に向かう。振り返るとまだ一緒にいたくなるから。
ギュッ
「……え?」
「待て。」
気付いたら手を掴まれてた。家の中に入ろうとする私を止めるために掴んだのかな。でもなんで?
「今日は泊まっていってくれ。」
「……ええ?」
急にお泊まりして欲しいとのこと。普段のような軽い感じじゃなくて、真剣そのもの。だから最初は戸惑ったんだ。だけど最終的に……
「わ、分かった。」
私は葵の家に泊まることを了承したのだった。
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葵に手を引かれて葵の家の中に入る。なんか少し強引な感じがして新鮮だし良いかも。好きな人に強引にされるとドキドキしちゃうんだね。
「母さん、今日玲奈泊まるから。」
葵は台所で晩御飯の準備をしているおばさんに私が泊まることを話していた。今日のご飯なんだろうなぁ。おばさんの料理も美味しい。お母さんのと決められないや。
「あらお帰り、玲奈ちゃん泊まってくの?急ねぇ。」
やっぱりおばさんも急だと思ったらしい。でも迷惑とかでは無いらしくて全然良いらしい。むしろ歓迎してる。
「お邪魔します。おばさん、急にごめんね。」
おばさんが良いと言ってるけど、それでも一応断りをいれとく。親しき仲にも礼儀ありってやつ?
しばらくおばさんと話して丁度区切りがついたら葵に手を引かれて2階に行った。部屋に入る時に私から先に入らせたけど何でだろう?そのまま葵が先に入っても良かったのにね。
ギュッ!
「ふぇ?ちょ、ちょっと!?」
それは唐突にされた。後ろから抱きしめられた。急なことで私の頭は一時停止した。でも数秒で現状を再認識する。
え?私今、葵に抱きしめられてる?私して欲しいなんて言ってないし……ということは葵が自分からしてきたの?
今までは私がお願いして葵にして貰うことがほとんどだったから葵が自分からしてくれたことが本当に嬉しかった。
「なぁ、さっきの奴告白してきただろ?」
そんな私に冷水を浴びせるような言葉が聞こえた。葵もやっぱり検討はついてたみたい。私はさっきの人を思い出して憤慨しようとした。でも葵の声が少し怖く消えたから出来なかった。
疑問が湧いてくる。なんで怒ってるの?私が何か悪いことしたのかな。無自覚にしたのなら謝りたい。
「う、うん。」
私はひとまず頷く。こうしなきゃ話が進まないから。謝るのも怒られるのも話を全部聞いてから。
「そうか。じゃあ……そいつと付き合うのか?」
怒られることを想定していた私に驚くような質問をしてきた。さっき告白してきた人と付き合う?なんでそんなことを聞くのだろう。
やっぱり放課後から葵は変だ。告白されて不機嫌になってるし、さらに今に至っては付き合うのかどうかを聞いてくる。そこで私は勘づいた。これって嫉妬してるんじゃないの?つまり……
葵はやきもちを妬いている?
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あとがき
この話って表の半分くらいの内容なんですよね……本当ですよ?
その内容が11話の文字数よりも多いんですよ。驚きですよね。
今後の目標はいかに表を長く書くかに決まりましたね。どうにかしなきゃいけないですね(笑)
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