第33話 表現方法のあれやこれやで
さて、カク活動再開後はいろいろと書き進めているところですが、先日カクヨム上で「タップノベル」の広告を見かけて、半ば興味本位で使ってみました。
タップノベルというのはキャラや背景、エフェクト等を用いてゲーム風の画面で小説が読めるというものでございます。
普段は基本文章オンリーのカクヨムで活動している身としては、小説の内容が読んで頂いた方にどう伝わるかは読み手の裁量と作者の技量に委ねられているわけですが、時折、絵とかあればもっと伝えやすいのかな、などと思うことがないわけでもありません。
で、元々ビジュアルなしのつもりで書いた小説にビジュアルや演出とかを付けてみたらどうなるんだろうという好奇心で、いわばプチ映像化を図ってみたのであります。
素材にしたのは拙作「転生の聖女はモブで陰キャの死にたがりでした」の1章の冒頭メイド視点の部分。
やってみた感想としては「わかりやすくはなるし面白い部分もある。作風と内容がマッチすれば表現方法の一つとしてはあり」でした。
ただし同時に「文章主体を志向する人には向かないかも」とも思いました。
なぜかというと、「目に見えてしまうとそれが正解になって読み手の想像の余地が狭まる」気がしたからです。
カク活動をされてる方には当然のことかと思いますが、小説の中では1から10まで説明しているわけではありません。ある程度は読み手の想像に委ねている部分もあります。
例えば、この作中では、メイドが部屋に籠もる聖女に向かって「(ドアを)蹴破りますわよ」と言うシーンがあるのですが、原作にはどのような感情を込めて、どのような表情をして話したかは一切触れてません。
作者的には読んだ方が「怒りを込めて」でも「事務的」でもどんな解釈をされても正解でいいと思うのですが、タップノベル上で私が付けた描写は「笑顔」でした。
となると、このシーンの正解は笑顔で決まってしまいます。
今回は作者自身がやってることなのでスベろうがなにしようが自己責任なんですが、アタクシみたいな泡沫物書きですらこんなことで迷うんですから、自作が赤の他人の手で映像化された作家さんなんかは密かに「これじゃないんだよ」と軸地たる思いを抱いてることもあるかもしれません。
まぁ、ビジュアル付きにも文章のみにもそれぞれの利点はありますので、結局は上手く使えればいいのかなと思います。
タップノベル版の続きをやるかは今のところは未定ですが。
あまり露骨に誘導してると思われるのもあれなので、参考までに興味がある方はどうぞ。
【タップノベル版】
https://tapnovel.com/stories/7724
カクヨムの端っこの端っこあたりで思うこと 椰子草 奈那史 @yashikusa
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