第3話 脳味噌と指先が書く言葉には伝言ゲーム並みの齟齬がある

 これはカクヨムで活動し始めて最初のころに近況ノートに書いたことですが、自分で小説を書いてみて真っ先に感じたのは「読むと書くとじゃ天と地ほどの差がある」ということでした。

 人の書いた文章って、わりとすぐ粗に気づいたりしませんか。

 なんかここ下手だなーとか、狙いすぎてスベってるなー、とか。

 さて、ではそう感じる自分はそんなミスをしないかといえば……ガッツリやります。

 頭の中にはですね、あるんですよ、イメージが。もう全米が泣くだろ、ってぐらいのすごいシーンが。

 でも、それを自分の指を使って綴った文章で読んでみると……。

 泣けねぇ、なんも泣けねぇ、という事態に陥ってしまうのです。


 うーん、これはどこに問題があるのでしょう。

 一応整理してみると、小説を書く段階としては、脳内イメージ→アウトプットのためのイメージのローカライズ作業(脳内文字おこし)→出力(指)、ということになるでしょうか。

 指は基本、最終的に言語を入力するだけなので、やっぱり肝はイメージのローカライズ部分、つまり「イメージから言語への翻訳エンジンの性能」ということになるかと思います。

 プロの方とか、文章のうまい方というのはこの翻訳エンジンが秀逸なんでしょうねぇ……。

 うらやましくないといえば嘘になりますが、そこは割と努力と経験で翻訳の精度は高められるものだと思うのですよ。そう、だからこそ今日も読まれることもない文章を書き続けるのです。


 いつか、自分の頭の中のイメージが違和感なく言葉に綴れる日がきたとしたら、それはきっと最高ですよね。





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