第23話


帰りにゴブリンは出なかった。


更に言うならスライムにも会わなかった。

今日はあんまりモンスターに会わなかった。


行きではスライムが何匹かいたが落としたのは魔石ぐらいで、珍しい物は落とさなかった。

ゴブリンの落とした斧がどれほどの値段で売れるのかが気になるところだけど。






「‥な‥‥‥‥ん」




「なき‥‥さ‥‥」




「百鬼さん!!」


「はい!」


え!なんだ!?なんか出たのか!!?


「お疲れのところ申し訳ございませんが、会計が待っておりますので‥‥‥」


「あ、はい。すいません‥‥‥」


いつもなら夜まで潜ってるから人が居なくてそのまま換金出来たけど、今日は斧が出たからすぐに帰ったこと忘れてた‥‥‥‥は、恥ずかしい!


「こちらの会計ですが、魔石がスライム4匹とゴブリン1匹の合計1400円となります」


「あ、はい。それで斧の方は‥‥」


「はい、ゴブリンの斧が1600円となります」


安くね!?ゴブリンだからってそんなに高く売れないのか‥‥いや、よくよく考えてみればゴブリンの斧って何に使えるんだ?


溶かして鉄にするくらいか?そりゃ、高く売れるわけないよな‥‥‥‥‥次からは魔石だけ持って帰ろうか。


もう一回潜りに行くかな‥‥


「合計の金額としては‥‥103000円となります。」


「あ、はい。わかりました‥‥‥あれ?」


「どうかいたしましたか?」


「いやいや、多くないですか?」


「いえ別に適正価格かと‥‥‥あぁ!」


「ど、どうしました?」


「いや、最近のニュースは見ていないんですか?」


最近のニュース?なんかあったのか‥‥?


「あぁ!あれか!?」


「はい、迷宮褒賞金ですね」


最近制定された、ダンジョンについての新しい情報を持ち帰った者に出される褒賞金だ。


「今回の斧持ちゴブリンは今回の一件が初、ということでしたので、褒賞金の100000円が出たんですよ」


「あぁ、そういうことでしたか」


すっかり忘れてた。


「はい。ですので魔石の分の3000円と褒賞金の100000円で、計103000円となります」


「はい、ありがとうございました」


「いえいえ」


だから俺も斧ゴブリンのことを知らなかったのか‥‥‥‥‥ま、特しかないし気にすることないか。

帰って何しようか‥‥‥寝るかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る