第17話

また人気のないダンジョンにやって来た。

リュックを背負っての挑戦だ。結構な値段だが、だからといってここでケチると男が廃る。


ほとんど人は…いや、全くいないダンジョン。だからこそ独り言言っても、踊っても、スライムだけを狩り続けても大丈夫だ。

ただ少し虚しくなるだけ。


「でも本当に人がいないな。宝箱が1つでもあれば変わるのに。」


宝箱はダンジョンに稀に出てくるもので、中にはお宝が入っている。そして時間によって中身はリセットされる。


ダンジョンにもランクがあり、高い順から、

S A B C D E Fとあり、階層の数で分けられ。


その一番下のランク、Fには宝箱が1つから5つ。Eには宝箱が6つから10。と階層の数だけ増える。


ただし、Aからは1つの階層に3つから5つ。Sに関しては全ての階層に5つから9つもある。


今俺が潜っているダンジョンが階層は3。宝箱は0という、ハズレと呼ばれるダンジョンだ。宝箱は開けられない時間が長いほどに中身のグレードが上がって行く。


ダンジョンが出来たときから一度も開けられていない宝箱。一体どこまでグレードが上がっているのか。


「あればの話だけどな。」


無駄な考えは止めよう。

リュックを買ったからには、買った分を回収しないと。協会に申請を出していないと、12時間以上潜ると自衛隊が駆けつけて来るからな。

あと数時間頑張ろう。

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