俺の世界に起こる特殊イベントはなんか思ってたのとは少しズレている
たかみ真ヒロ
第1部
はじまり
小学生の頃、学校で出された宿題の将来の夢の作文には動画サイトに投稿する動画職人と書いた。俺は本気でそれを書いた。しかし、当時は二人いた親からは酷く怒られた。なんでそんなに怒るんだろうと小さいながらに思った記憶がある。
中学生の頃は、思春期に入り、異世界ファンタジー漫画やSF小説なんかを読んで、俺の右手には何かが宿っていると本気で信じていた。俺の右手が暴走したら~とかそんな妄想をするのが一番楽しかった。もちろん学校の友達には話したりしなかった。その理由は恥ずかしかったとかそんな理性的な考えではなく、もし秘密を知ってしまったら、その友達にも迷惑が掛かると本気で思っていたからだ。あの頃の俺マジでありがとう。
高校に入る頃には、そんな中二病もすっかり治って、今では、普通のリアリストに。
ー普通のリアリストって何?ー
何って、そりゃもちろん、自分にはなんの特殊能力も取り柄もないってことを自覚したってことだよ。普通に高校行って、特にやりたいこともないから、多分、周りが行けっていう大学に行って、安定した就職先に勤めて、つつがなく俺の人生は終わるんだ。
ーじゃあ、特殊能力を与えられたら?ー
そりゃもちろん、その能力をフルに使って自分のこのつまらない人生を変えてやるね。まぁそんな機会訪れることはないけど。
ーふーん。じゃあ、もともと君はその特殊能力を持っているとしたら?ー
さっきから、一体、なんなんだよ。俺は、特殊能力なんてもん持ってるわけないし、突然、特殊能力を与えられたりする幸運なんてもんすら持ち合わせてない、普通で、ちゃんと現実を生きてる人間なんだよ。
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