第18話 暗殺者のナイフ 〜VS 上位悪霊《ワイト》〜
「じゃあ、このダンジョンをとっとと探索して、マエリスを探しちゃいましょ」
「うん」
「はーい!」
三人パーティになった僕たちは先に進んでいく。
さすがにカトレーヌさんは、
周囲を警戒しながら僕たちを導いていく。
生きている者は音を立てる。
息づかいや足音など。
それを先に察知し、避けたり先制攻撃を行う。
生きていなくても、
「う゛う゛う゛う゛う゛う゛ー」
「グール三体。リィト君、お願い!」
「了解! 【
ザザザザザザ……。
水分を抜かれ粉々になって
僕の手の先からは、透明な水が流れ出す。
「リィト君、これ、普通の水だよね? 飲めるよね?」
「普通の水です。飲めますよ? ただ、元がグールなので、グール汁ですが……」
「グール汁——やっぱ……いい」
アンデッドは音を立てない奴らもいる。
「ごめん——リィト君」
申し訳なさそうに、カトレーヌさんがうつむいた。
その部屋に現れたのは、
ボウッと薄く高位の貴族のような服装の亡者が部屋の反対側に見える。
「触れられると生命力を吸われるし、魔法や、魔法の武器しか効かない敵よ。リィト君、何か良い魔法ない?」
「厳しいかも」
もともと水分がないアンデッドだ。
【《クリエイトウォーター》】は効かないだろう。
【
逃げても良いけど、どうもこの敵を倒さないと先に進めないようだ。
一応、鑑定してみるか。
「【
『
名前:
脅威度:B級
属性:アンデッド
備考:魔法、および魔法を帯びた武器でしか攻撃が当たらないよ
所持品:宝箱
追加情報
弱点:聖属性魔法、聖属性武器
』
何か、戦利品となるようなアイテムを持っている。
おそらく、通路とそれを守っているのだろう。
「カトレーヌさん、魔法の武器はありますか? 聖属性だと最高ですが」
「うん、あるわ。でも、接近するのは厳しいかも。触れられたら即死」
「ナイフを投げるのはどうでしょう?」
「えっ? アタシ投擲は苦手なの」
暗殺者のナイフという魔力を帯びた武器を、カトレーヌさんは持っているそうだ。
しかし投げて当てるのは苦手だという。
確かにこのナイフ、少し刃の部分が大きく孤を描いている。
投げても、まっすぐ飛ばないだろう。
でも僕には【百発百中】がある。
あとは、ナイフは一つだけだから可能なら強力にしたい。
チコが声をかけてくる。
「リィト、【
そうか、【清浄化】のグリッチが使えるようになっていたんだった。
僕は、カトレーヌさんからナイフを借りて魔法を発動する。
「【
『【清浄化】の魔法を解析するね——成功したよ! グリッチする!』
『成功! 影響を与えたいものに触れて」
僕が持っている暗殺者のナイフに淡く光が灯る。
『暗殺者のナイフに聖属性が付与されたよ。「聖者と暗殺者のナイフ+1」に変化したの』
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