魔王、勇者と入れ替わる。
──いたい
我が痛みを感じるだと?
全身に鈍い痛みがかける。
「──ラン─、ア──おき──アラン──!」
身体が揺さぶられるその度に痛みが走る。
誰だ我の身体を揺らす馬鹿な部下は!
ククク、身体を穴だらけにしてやろうではないか。
我は目を開ける。
見慣れない風景、何故我は地べたに伏しているのだ?く、やはり身体が痛い。
「貴様はだれだ?」
「え、アラン?私だよエレンだよ!」
「知らぬわ」
そう言うと女は慌てふためていた
「おいおい記憶喪失か〜?」
「貴様はだれだ?何故我を見下ろしている?」
たかが人間風情が我は自分を見下ろしている事に怒りが込み上げてくる。
「あぁんてめぇ何様だ?殺されてねぇのか!」
ククク笑に対して殺されたいのかだと
これ程の激情に駆られるのは久しぶりだ。
我は立ち上がり人差し指指をその男に向け唱える
「デスビーム」
だが、我の指からは魔法は発せられない。
「ぷ、プハハハァ──おいおいなんだよデスビームってプハハハ」
「我とかデスビームとかお前あれか昔召喚された勇者が言っていたチュウニビョウてやつか?」
デスビームが使えない──
更にみるからに自分の身体でもないし知らない場所。ここは学院?確かに資料でみたような──勇者学院か。
という事は我は勇者と身体が入れ替わったとでもいうのだろうか。にわかには信じられないが今は実際に起きた事には疑いようはないな。
ククク、人間の身体になろうが我は魔王!我に楯突く者は誰であろうと容赦はせんぞ!
「ククク、面白い」
「てめぇ何を言って──ブハァ!?」
やはり人間の身体だとスピードも力もないな
我のパンチであれば頭が吹き飛ぶものもこの身体では吹っ飛ばす程度ではないか。だが考えようによっては長くいたぶらるという事ではないかククク、クハハハ
『お、おいアランが殴ったぞ』
『アランがついにキレたのか』
『アランの奴、まるで別人じゃないか…?』
アラン?我のこの身体はアランという奴なのか?確かあのエレンとかいう女そう呼んでいたな。それよりいい身体であったなあのエレンとやらはクハハハ
「て、てめぇアラン!俺にこんな事してタダで済むと思うなよ!ぶっ殺してやる!」
「ククク、貴様こそ我に楯突いて生きていられると思うなよ?」
アランの意表を突かれた反撃に反応出来なかったがライルはこの学院のトップでありそれなりの実力者であるのは間違いなくすぐに体制を整えると魔法を行使する。
「ファイヤージャベリン!」
さっき試したが我の魔王だけかま使える魔法はこの身体では使えない。だが、それ以外は使えそうだなまぁ威力や効果はこの身体に批准する感じか。
「クハハハ!なんだそのへっぽこ魔法はぁぁ!!」
ただの魔力を込めた拳でファイヤージャベリンを殴り爆発させる。
「な!?魔法を殴るだと!?」
「驚いている場合か?ほれ踊れ踊れ」
我は既に十ものファイヤージャベリンを空中に浮かべていた。そしてあえて威力、速度を落とし男でも避けれるように放つ。
「た、多重詠唱だと!?なんでお前なんかが!──くっ、ウアァ!グハッ」
ライルは必死に右に左に後ろにギリギリ避けれていたがそれも間に合わずファイヤージャベリンが当たり出す。
「おいおい、奴隷の獣人の方がまだマシな踊りをするぞクハハハ」
『おいおいまじアランヤバいって』
『怖すぎだろ…』
『ライル死んだりしないよな?』
周りの連中はこの光景に恐怖している。
あー面白いではないかどれどれ奴の心の中はどうなっているか楽しみだ。我は目に魔力を集中させ魔王アイならぬ勇者アイを発動させる
ククク、いい感じに恐怖しているではないか!
ん?そうかこいつはあのエレンという女を好いておるのかそうかそうかクハハハ
我は必死に踊っている奴のスボンとパンツを目にも止まらぬ速さで風の刃で細々に切り裂く。
ライルを見ていた者達には急にライルの下半身の衣類が粉々になって消えていったようにしか見えていなかった。
『ラ、ライル!?』
『キャーッ!!』
『おい、みろよ…』
悲鳴も混ざる様々な声が聞こえてくる。
攻撃を避ける事で精一杯だったライルもみなの変化に訝しみ自分の下半身に目を向けた。
「う、うわぁぁぁぁ!?!?」
アランの攻撃そっちのけで自分の局部を手で覆いしゃがみ込むが攻撃が終わっていない。避ける事ができず直撃し吹き飛び下半身丸出しでみなの前に倒れ込む。
「クハハハハハァ」
アラン(魔王)の笑い声だけが木霊するのだった──
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