パワハラ騎士団長に追放されたけど、君たちが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ?メンツ丸潰れだと騒いでるけど5回全滅しただけだよね?限界突破の外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
10話。バフ・マスター、ファイヤーボールで不死者の軍団を壊滅する
10話。バフ・マスター、ファイヤーボールで不死者の軍団を壊滅する
僕たちの魔法攻撃によって包囲が破られ、ブラックナイツが退却してくる。
その背に向かって、敵が矢の雨を浴びせた。
「【バフ・マスター】!」
僕はブラックナイツにバフをかける。
「こいつは!? い、いつもの感覚……! 俺たちの力が戻って来たぞ!」
「す、すげぇ! ぜんぜん痛くないぞ!」
騎士たちの防御力が10倍になったことにより、矢はことごとく弾かれた。
ブラックナイツから歓声があがる。
彼らは襲いかかってきたアンデッドを、枯れ木のように吹き飛ばした。
「なに、これ? 嘘のような力……これなら戦える!」
ブラックナイツの最後尾で、剣を振るっていた黒髪の美少女が叫ぶ。
彼女は群がるアンデッドを一瞬で、細切れにした。
あの娘は……もしや、剣聖と名高いイブか?
「【ターン・アンデッド】!」
リディアが、アンデッドを浄化する神聖魔法を唱えた。
白い輝きを浴びた何十体ものアンデッドたちが、砂となって崩れる。
「おおっ! リディア王女殿下、自らが我らの救援に!?」
「あなた達! こんなところで死んでは、だめよ!」
リディアがブラックナイツを激励する。
「この毒沼は、暗黒魔法で生み出されたモノのようです!」
ティファが敵の魔法を見破った。その間にも、彼女は火の魔法を撃ち続け、ブラックナイツを掩護している。
「なら神聖魔法で消すことできるな。リディア頼む!」
「うん、任せて!」
リディアが暗黒魔法を無効化する【解呪(ディスペル)】の魔法を唱える。
まばゆい光が降り注ぎ、毒沼が幻であったかのように石畳の街道へと変わった。
「怪我をした者は、無理をせず撤退よ!」
「はっ! ティファ副団長!」
ティファの号令に、ブラックナイツの騎士たちが応じる。
「貴様ら! その小娘はもう副団長ではない! 何を勝手な命令に従っているか!?」
「バラン団長! 今はそんなことを言っている場合ではないですよ!? 何人の仲間が犠牲になったと思っているんですか!」
バラン団長がティファに喰ってかかった。
僕はそのやり取りを横目に、覚えたばかりの初級魔法ファイヤーボールを唱える。
手の平に出現した火の球を、アンデッド軍団の後列に投げ込んだ。
ドゴォオオオオオオオオオオオン!
すさまじい爆音と共に、視界が閃光に染まった。
僕の放ったファイヤーボールが大爆発を起こし、大地にクレーター状の大穴が開く。
一撃で敵の半数近くが消し飛んだ。
「な、なんですか、今の魔法は!? 火系統の極大魔法!?」
「アベル、いつの間にこんな超魔法を!?」
「……いや、ティファに教えてもらったファイヤーボールだけど?」
ティファとリディアが泡を食って、僕に詰め寄ってくる。
「ご冗談を……って、アベル様は魔力が6600を超えていたんですよね。ステータスは6000を超えたあたりから、別次元の強さとなると聞きますが、これ程とは……」
「きゃあああ! さすがは我らが団長アベル様ですわ!」
「竜殺しの剣技だけでなく、これほどの魔法の使い手なんて!」
「アベル様がおられれば、魔法王国フォルガナなど恐れるに足りませんね!」
僕の配下の少女騎士たちが、大喝采を上げた。
ブラックナイツの騎士たちは、口をあんぐり開けている。
「ア、アベルって、実はめちゃくちゃスゴイ奴だったんだな」
「さすがは英雄シグルド様のご子息って、ことか!」
「おおっ! その雄姿! まさに若き日のシグルド様の生き写しでございます!」
中には感涙にむせんでいる老騎士もいた。
初級魔法で、そんなに持ち上げられると困るな……
それに形勢逆転したとはいえ、アンデッドはまだ2千体以上はいる。
「みんな、まだ敵は残っているぞ。残りの敵も殲滅だ!」
「はっ!」
僕の号令に、ブラックナイツからも了承の声が上がった。
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