第1507話 ハッピーライフさん

「やほー!!僕はハッピーライフ。皆からハッピーライフさんって呼ばれているんだ」

突然現れたそいつは、自らをハッピーライフさんと名乗る頭のおかしな奴だった。中性的な顔立ちで、イマイチ男なのか女なのか分からない。まあどちらでもいいのだけれど、こんな奴に関わるのはよそう。

「ちょっと!ねえ!無視しないでよ!!僕に出会えるのは、とってもとっても幸運なことなんだよー」

「何が幸運なんですか?私、急いでるんですけど」

「お嬢さんは本当に運が良い。ハッピーライフ!!ね?こう叫んでみて。幸せが訪れるから」

「嫌ですよ。恥ずかしい」

「ほらほら、恥ずかしがらずに。幸せが逃げていきますよ」

余りにもしつこいので、私は渋々一度だけハッピーライフと叫んだ。

「どう?これでいい?」

「ええ。バッチリです。これであなたもハッピーライフ!!」

翌日から私は、なぜか幸福感に包まれた。そうか、幸せを叫ぶと幸せになれるのか。

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