第1496話 チューリップの写真
春の穏やかな気候の中、公園にはたくさんのチューリップが咲き誇っていた。花の良い香りがする空気を吸い込みながら、リラックスして公園内を散歩する。しゃがんでチューリップの写真を撮っている可愛い女性が、写真を撮り終えたところで思わず目が合ってしまった。
「綺麗に咲いてますね」
「はい。思わず写真を撮ってしまいました。見てください。良い写真が撮れたんですよ」
そう言って彼女は、笑顔で僕に写真の画面を見せてくれた。
「本当だ。とても良い」
「チューリップの花言葉を知ってますか?」
「いえ、花には疎くて」
「博愛なんですよ」
「良い花言葉ですね」
「私の友達が春から看護師になったんです。だからこの写真を送ってあげようと思って」
なるほど。僕は、見覚えのある写真を見てあの時の事を思い出した。そうか、彼女があの子の友達か。僕は医者。彼女と同じ病院で働いている。世間の狭さに思わず笑ってしまった。
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