第1484話 変異家族

今日のおやつは何かな?

そんな吞気なことを考えながら、学校から帰ってきた。

「ただいま」

「おかえり」

母の声がなんだか変だ。風邪かな?

リビングに行くと、ソファに座っている見た事のない人物がいた。

「だ、誰!?」

「あんた何訳のわからない事言ってるのよ。お母さんよ」

「全然違うじゃないか!!」

そんな風にパニックになっていると、ただいまという声が聞こえてきた。お姉ちゃんか?

リビングに入ってきたお姉ちゃんも、見た事のない他人だった。

まさか入る家を間違えた?いや、そんなはずはない。自分の家を間違えるはずない。そして夜になると「ただいま」という声が聞こえて、また見た事のない男性が家に入ってきた。

ある日を境に、自分の家族がすべて違う人物に変わってしまっていたのだ。

それから私の生活は一変したかのように思われた。しかし見た目や声は違えど、中身は家族のままだった。意外にも前と変わらなかった。

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