第1483話 不思議な村

山の天気は変わりやすい。登山をしている最中、大吹雪に見舞われた。

「これはまずいな……」

そう思いながらも急いで下山しているが、道に迷ってしまったようだ。最悪だ。俺はどうやら遭難してしまったらしい。むやみやたらと動き回らない方が良いか。それともとにかく歩く方が良いか。俺は歩く方を選んだ。黙々と歩いていく。そのまま進んでいくと、何やら村のようなものが見えてきた。良かった。助かった。そう思い、急いで村の中へと入っていく。

「助けてください。遭難してしまいました」

「よくこの村に辿り着けましたね。歓迎しますよ」

その村は不思議な事だらけだった。ずっと吹雪のままで、何日も何週間経ってもずっと吹雪のままだった。

「あの……この村は、どうなっているんですか?」

「ここかい?ここは時間の流れが止まる村なんだよ」

「ええ!?」

「つまりあんたが吹雪が止むまでの間、居座ろうと思っても一生止むことはないのさ」

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