第1468話 大飯食らいのユメクイ

腹が減った。いつも食べ足りない。ああ、どうして腹は減るのか。食べても食べても食べ足りない。


いつも食べる事ばかり考えている大飯食らいのユメクイは、今日も人間の見る夢を探していました。しかし心優しいこのユメクイは、人間の悪夢しか食べないのです。

なぜならせっかく良い夢を見ているのなら、それを食べるのは可哀想だ。だから食べるのは、悪夢だけだと決めているからです。それは、大飯食らいのユメクイのお母さんとの約束だったからです。


それにしても腹が減った。こんな事を考えるのは良くないが、今日は悪夢を見る人が増えないだろうか。大飯食らいのユメクイは、そんな想像をしながらヨダレを垂らしていました。しかし今日の夜もいつもと変わらず、悪夢を見る人は少なかったのです。でも良い夢を食べるのは、いけないこと。次の日もその次の日も悪夢を見る人は少なく、ついに大飯食らいのユメクイは死んでしまいましたとさ。

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