第1437話 生き延びるためには手段を択ばない

気が付くと俺は、どこかの部屋に閉じ込められていた。どうやら不思議な力で瞬間移動させられたらしい。そこでは食料の配布が一切行われる事もなく、このままでは死ぬのも時間の問題だった。だから俺は、施設からの脱走を試みた。隣には俺と同じように瞬間移動させられた、中学時代の同級生の宏がいた。こんなところで十年ぶりの再会をしてしまった。俺は宏と共に脱走した。

「それでどこへ逃げるんだ?」

「あいつらに見つからない場所だ」

「俺達の家は、奴らに知られているんだぞ」

「作戦は考えてある」

「どうするんだ?」

「海外へ脱出するんだよ」

その道中、宏が捕まった。俺は宏を置いて一人逃げた。そして自分の実家ではなく、宏の実家へと向かった。ここなら奴らに見つからないからだ。あいつは確か高く売れそうなブリキのおもちゃを持っていたはずだ。俺は宏の家から高そうなブリキの玩具を盗み、それを売り、海外へ逃亡した。

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