第1431話 桜の森でまた会おう
今日は高校の卒業式だ。皆ともお別れだ。皆それぞれの道へと旅立っていく。卒業式を行っている中、皆、泣いていた。
「うっ……ううっ……」
俺は四月から地元を離れ、大学へと進学する。新たな出会いも待っている。そう思うとワクワクしているのだけれど、皆はまだ泣いている。
「嫌だよぉ……。離れたくないよぉ……」
まあ確かにせっかく皆、仲良くなれたのに離れてしまうというのは、少し寂しい気持ちはする。だから俺は教室で一番に立ち上がり、高々と言う。
「皆、せっかくの卒業式なのに泣くなよ。俺達の晴れ舞台なんだぞ。そうだ、写真だ。桜の森で皆で写真を撮ろう」
そう言って皆で桜の森と呼ばれる学校内の桜の木の下で、写真を撮った。
皆に笑顔が戻ってきた。
「お前ら、元気でな。必ず同窓会やろうぜ。桜の森の下で、今度は酒飲んで花見ってのも楽しいかもな」
そんな陽気な事を言った帰り道、俺は誰もいなくなったのを確認して泣いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます