第1416話 流星嵐

「流星雨はあるが、流星嵐は知らないだろう?1時間に100個以上の流星が流れれば流星雨。1時間に1000個以上流れれば流星嵐と呼ぶんだ」

星が大好きな彼が教えてくれた初めて聞いた流星嵐という言葉。そんな彼は、興奮気味に更に続ける。

「凄いだろ?まるで神様の悪戯だよね。その神様の悪戯がもうそろそろみられるんだ。実に34年ぶりなんだ」

彼は本当に星が大好きだ。

「ねえ。いつから星が好きになったの?」

「昔、幼馴染の女の子が天体望遠鏡を持っていてね。覗かせて貰ったんだ」

「女の子……」

私はちょっと不機嫌になりながら言う。しかし彼は、そんなことにも気づかない。星に夢中だ。

「ほら、もうすぐだよ」

そして一面の流星嵐が流れ出した。その光景に私は目を輝かせた。

「願い事めっちゃ叶うじゃん。何願う?」

「君と手を繋げますように。かな」

「何それ。小さな願い事」

私は笑いながら手を差し出した。

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