第1377話 62人の姫と婚約パーティー

62人の姫の中から王子様の婚約者を決めるパーティー。君はとても貧しい生活を送る平民の子であったが、私が見つけだした最高の女の子だ。君には素質がある。きっと王子様も君の魅力に気づいてくれるはずだ。

「そんな……私なんてとても……」

「今の生活を変えたいと思わないか?」

「変えたいです。でも……」

「だったら挑戦してみないか?」

そう言って彼女に最高のドレスと化粧を施した。私はパーティーと当日、彼女を見て確信した。

「とても綺麗だよ。これならきっと……」

そしてパーティーが始まった。だが叶わなかった。62人の中の頂点に立つには、流石に時間が足りなさ過ぎた。

「すまない。私の力不足が原因だ。君は何も悪くない」

「いえ、いいんです。とても素晴らしいひと時の夢を見る事ができましたから」

間違いなく、君は綺麗だった。たった一夜限りの、ほんのひと時の間だけだったけど、君は煌めいて輝いていた。

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