第1342話 覚醒

赤い月が登る夜、災いは再び起こる。そして……、この俺の身体にも……。

「!?」

「この世界は滅びるだろうな」

「そんな!」

「だが安心しろ。俺とお前たちがいる限り、世界は滅びない。絶対にだ。だから……、今は眠れ」

そう言って、彼は私の頭に手を置いた。すると、私の中に眠っていた何かが目を覚ます感覚があった。その瞬間、私は意識を保っていられなくなった。でも、怖くはなかった。むしろ心地よくて、温かい気持ちになったから。そして、私の意識は完全に消えた。

「…………ん?」

次に私が目覚めた時、そこは真っ白で何も無い空間だった。

ここはどこ?それにさっきまで私は何をしてたんだっけ?……そうだ!思い出した。確か私は黒い騎士と戦っていて、それで……。

「目が覚めたか」

「えっ?」

「世界を変える力がお前の中に眠っている。呼び覚ませ。覚醒しろ」

その言葉に呼応するうように心臓が脈打った。

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