第1290話 大雪ドロップス
積もりに積もった雪達は、私達の行く先を容赦なく邪魔をする。
「うわっ!?」
そして案の定、私は足元にあった大きな雪の塊に気づかず足を滑らせてしまった。咄嵯に手を伸ばすも間に合わず、そのまま地面に倒れ込んでしまう。幸いにも柔らかい雪がクッションになってくれて怪我は無かったけれど、服や髪は濡れて雪だらけだ。
「あー……もう最悪だよぉ……」
ため息と共にそんな言葉が出る。今日だけで何度転んだだろうか。
こんな調子じゃとてもじゃないけど目的の場所まで辿り着けそうにない。
「どうしようかなぁ……」
チラリと後ろを振り返る。そこには私が通ってきた足跡だけが残っていた。
その先に続く道は白く染まり、まるで私の侵入を拒むかの様に聳え立っている。それは目的地までの正しい道筋を教えてくれている様で、同時に私を拒絶している様にも見えた。
「……」
何度も転びそうになる度に手をつきながら、一歩ずつ慎重に前へ進む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます