第1290話 大雪ドロップス

積もりに積もった雪達は、私達の行く先を容赦なく邪魔をする。

「うわっ!?」

そして案の定、私は足元にあった大きな雪の塊に気づかず足を滑らせてしまった。咄嵯に手を伸ばすも間に合わず、そのまま地面に倒れ込んでしまう。幸いにも柔らかい雪がクッションになってくれて怪我は無かったけれど、服や髪は濡れて雪だらけだ。

「あー……もう最悪だよぉ……」

ため息と共にそんな言葉が出る。今日だけで何度転んだだろうか。

こんな調子じゃとてもじゃないけど目的の場所まで辿り着けそうにない。

「どうしようかなぁ……」

チラリと後ろを振り返る。そこには私が通ってきた足跡だけが残っていた。

その先に続く道は白く染まり、まるで私の侵入を拒むかの様に聳え立っている。それは目的地までの正しい道筋を教えてくれている様で、同時に私を拒絶している様にも見えた。

「……」

何度も転びそうになる度に手をつきながら、一歩ずつ慎重に前へ進む。

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