第1286話 副葬品ジュエリー

祖母が亡くなった。祖母が生前、大事に常に身に着けていたジュエリーを棺の中に入れた。それからまもなくして祖母の火葬が終わり、祖母は骨だけになった。

亡き故人を想い、思い出話に花を咲かせる。話題は副葬品ジュエリーの話題になった。

「ねえ。お婆ちゃんは、どうしていつもあのジュエリーを身に着けていたの?」

「あれはね。お婆ちゃんがお母さんから貰って代々受け継がれていたものなんだよ」

「そうなの?お母さんは受け継がなくて良かったの?」

「お母さんはほら、ジュエリーとかそういうの興味ないから。お婆ちゃんが天国に持って行ってくれるほうがジュエリーだって嬉しいよ」

「ふーん。私、ちょっと欲しかったな」

「あら、残念ね。お婆ちゃんが生きてる時にねだれば良かったわね」

そして夢を見た。お婆ちゃんにジュエリーを貰う夢だ。だが翌日、起きると枕元にあのジュエリーが置いてあった。

「おばあちゃん。ありがとう」

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