第1282話 使い魔ミミル

それでも僕は君を愛している。

「―――っ、」

言葉にならない感情が喉元までせり上がり、息を呑む。

僕にはもう、この世界のどこにも居場所なんてないんだと思っていた。だけど、それは違ったのだ。

僕の居るべき場所は、ここにあった。ここにしかないのだと、今ならはっきりわかる。

「……ああ、そうだね。うん、そうだったよなぁ」

涙で滲みそうになる視界に、小さく微笑んでみせる。

そうだ。何を迷うことがある? 僕はただ、自分の気持ちに正直になればいい。

「……ありがとう、ミミル。君のお陰で大切なことを思い出せた気がするよ」

『えへへー』

嬉しそうに照れるミミルは本当に可愛いと思う。こんな子が自分の使い魔だなんて、やっぱり僕は幸せ者だよなぁ。

「じゃあ、ちょっと行ってくるよ」

『うん! いってらっしゃいっ!』

彼女に想いを伝えるために僕は行く。この関係が壊れても、僕にはミミルがいる。大丈夫。一人じゃないんだ。

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