第1220話 鈴の音
山の中で鈴の音が聞こえて、僕は音が鳴る方へ向かった。そこには小さな赤ちゃんが捨てられていた。その子を家へと連れて帰り、両親に事情を話すと、両親は僕の妹として面倒見てくれると言った。お前が名前をつけてあげなさいと父から言われ、僕は妹に鈴音と名付けた。
鈴音は、村一番の評判の美人になった。村の男達は、いつも鈴音に見惚れている。兄としては少し心配だ。
「お兄ちゃん、ごめんね」
鈴音は気が弱くて、よく謝る子だった。とても繊細な心の持ち主で、本当に鈴の音色のようだ。
「何も謝る事はないよ。鈴音はもっと堂々としていいんだ」
鈴の音に合わせて君が温もりをくれた。だから僕は生きていける。また君がいてくれたなら祈るよ。このまま笑ってるからね。
あどけない笑顔で
「ありがとうね」
そう言う鈴音は、とても可愛らしかった。それだけでもまた強くなる。手を繋ごう。鈴音はきっと神様が僕にくれた最高の贈り物なのだろう。
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