第1216話 ぎざぎざ母ちゃん
母ちゃんは不器用だ。お裁縫なんて絶対にできない。でもある日の事、学校でお母さんの手縫いの雑巾が必要になって持って来て欲しいと言われた。それを母ちゃんに伝えると、母ちゃんは分かったと言って作り始めた。そして出来上がったのが、まっすぐではなく、ぎざぎざに縫われた雑巾だった。逆に作るのが難しそうに見えるが、不器用な母ちゃんが一生懸命作ってくれた雑巾を僕は、誇りに思った。学校に持っていくと、皆まっすぐ綺麗に縫った雑巾を持って来ていた。そして皆、僕の雑巾を見て、お前の母ちゃんの雑巾下手くそだと言ってきた。僕はあまりにも腹が立ってきて、そいつを殴って喧嘩してしまった。騒ぎは大きくなり、僕は母ちゃんと一緒に相手の子のところに謝りに行く事になった。母ちゃん、怒ってるよね……。
「ぎざぎざに縫ったらこんなことになるんだね。母ちゃん知らなかったよ。これからは縫う練習しておくからね」
僕は涙を流した。
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